『帰りに牛乳買ってきて 女ふたり暮らし、ただいま20年目。』はらだ有彩 著──女ふたり暮らし20年。実録コミックエッセイ
文字から栄養。ライター・瀧井朝世さんの、よりすぐり読書日記。
文・瀧井朝世
『日本のヤバい女の子』等の著作で知られる著者による、ルームメイトとの女性ふたり暮らしの日常を描いたコミックエッセイ。共同生活は大学生の頃から続いて、じつに二十年だという。
絵のタッチの効果もあって、その生活はじつに緩く感じられる。一緒に食事したり、散歩したり、駄話に花を咲かせたり……。時にはどちらかが落ち込んでいたり、疲れていたりもする。そんな時は相手のちょっとした気遣いがとてつもなく貴重だったりする。一ページ一テーマで簡潔に日常が切り取られているところも、非常に読みやすい。
仲よしぶりが分かる話も好きだが、けっこう考え方が違ったり、ケンカしたりしている様子も感じられて、私はそこが羨ましいなと思った。一心同体的な相棒にも憧れるけれど、一人一人がちゃんと個として存在し、互いに相手と自分は違う人間だということを認め合っている感じ。理想だなあ。
コミックの合間にはコラムも挿入され、女性ふたり暮らしは周囲からさまざまな偏見や先入観を持たれたことも伝わってくる。それでも二十年続いたルームシェア生活。この先もどんなふうに続いていくのか、知りたいです。
『クロワッサン』1160号より
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