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【手みやげをひとつ】津乃吉「京のしらべ」──ブックディレクター・幅 允孝さん推薦

名物〈山椒じゃこ〉を筆頭に、ご飯がすすむお供が勢ぞろい。

撮影・MEGUMI 文・梅原加奈

【手みやげをひとつ】津乃吉「京のしらべ」──ブックディレクター・幅 允孝さん推薦

「時間の流れがゆっくりで、人と人の距離がちょうどいい」。そんな京都が肌に合うと話すブックディレクターの幅允孝さん。2023年、左京区に私設図書室と喫茶を併設する『鈍考/喫茶 芳』を開いた。現在も東京との2拠点生活を送るが、7割ほどはこちらで過ごすという。

「東京と京都を往復する中で、手みやげについて考える時間も増えたように感じます。小さな心遣いをいただくと、自分もそれを返したいという気持ちになる」

京都の人たちは手みやげ上手。さらっと渡されるものに心が解きほぐされる。

「『津乃吉』さんに出合ったのも、親しいお蕎麦屋さんにいただいた手みやげがきっかけ。気軽にくれた〈山椒じゃこ〉がおいしくて、おいしくて。京都名物のちりめん山椒はいろいろな店のものがありますが、こちらのものは香ばしさ、山椒の香り、コク、どれも格別。それ以来、我が家でも真似をして手みやげに選ぶようになりました」

『津乃吉』の看板商品〈山椒じゃこ〉。こちらを作る際にできる「じゃこだし」は、佃煮や京だしにも活かされる。〈京のしらべ〉は、そんな食卓を彩る売れ筋商品を詰め合わせた、人気のセットだ。

「きちんとした手みやげ用としてギフトセットを選ぶことも多いですし、一方で、ご近所さんに庭の柚子をいただいたお礼のときや、旅先で方々に手渡したいときなどには、〈山椒じゃこ〉の小分けのパックや瓶詰セットがちょうどいい。シーンによって商品を選びわけられるのがとてもありがたく、重宝しています」

構えすぎず、格式ばらず。手みやげの渡し方のコツも、京都の人に教えられた。

「手みやげは、自分をよく見せるためのものでなく、さりげない日常のやりとりのツール。その塩梅を知ると手みやげ選びがまた一層、楽しくなりました」

津乃吉(つのきち)

京都市東山区新宮川町通五条上る田中町507-8 TEL:075-561-3845 (営)9時〜18時、日曜休。京のしらべ5,000円(化粧箱入り)。山椒じゃこ(50g)、山椒昆布(70g)、大根と生姜の煮切り漬(100g)、かつお味噌(140g)、ごぼう味噌(140g)、京だし(360ml)がセットに。素材は国産品を厳選し、無添加、店内手仕込みで京の味を伝える。

【手みやげをひとつ】津乃吉「京のしらべ」──ブックディレクター・幅 允孝さん推薦
  • 幅 允孝

    幅 允孝 さん (はば・よしたか)

    ブックディレクター

    BACH代表。公共図書館を中心に病院、学校、ホテル、企業ライブラリーなどの制作・キュレーションを手がける。最近では、安藤忠雄建築による図書施設「こども本の森 松山」のディレクションを担当。

『クロワッサン』1159号より

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