「落語家」柳家さん喬さんが手みやげに推薦!『上野公園前 あんみつ みはしの』の「あわぜんざいと豆かん」
撮影・青木和義 文・梅原加奈
江戸の粋を伝える、昔ながらの甘味を楽しむ。
人情噺から滑稽噺まで、豊かな描写力と艶やかな声色で聴き手を魅了する古典落語の名手、柳家さん喬さん。昨年には約400人の落語家が所属する落語協会会長に就任し、重鎮自ら落語界の今後をリードする役割を買って出た。そんなさん喬さんのお気に入り手みやげは、寄席の定席のひとつ、上野・鈴本演芸場近くにある『上野公園前 あんみつ みはし』の〈あわぜんざい〉と〈豆かん〉だ。
「男ひとり、勇気を出して店に入ったのが何十年前のことか。そのときに〈あわぜんざい〉というものを知りました。日本舞踊に粟餅という踊りがあるんです。江戸時代に人気だった粟餅売りの姿を踊ったもので、その粟餅か、となりまして。一体、どんな味かと食べてみたら、もち米の餅とはまったく違う、つぶつぶ感とよく伸びる柔らかさ。この独特の食感はクセになります。冬にしか出ないので、この時季になると手みやげに選びますし、自分の分も必ず1個追加でお買い上げ(笑)。あわせて買うのは、こちらも昔ながらの豆かんです。大豆のほどよい塩味がさっぱりして、いいんですよ」
江戸情緒を感じさせ、地方の公演へ出向く際の手みやげとしても最適だそう。
「地方へ行くことが多いですから、東京からやってくる私がどんなものを持ってきてくれるか、とみなさん楽しみにしてくれている。だから、時には流行りの店の行列に並んで、最新スイーツを選ぶこともありますよ。逆に、地方へ行ったらその土地の名菓で面白いものや新しいものはないかと、空港や駅でおみやげ探しを楽しみます」
最近見つけたお気に入りは?
「北海道・稚内の空港で教えてもらった『高橋製菓』さんの〈ビタミンカステーラ〉。素朴な味が懐かしいし、レトロなパッケージもいい感じ。これからの北海道みやげの定番になりそうです」
⚫︎上野公園前 あんみつ みはし(うえのこうえんまえ あんみつ みはし)
[上野本店]東京都台東区上野4・9・7
TEL.03・3831・0384
営業時間:10時30分〜21時、無休。
『クロワッサン』1133号より
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