4月から指定野菜に。「ブロッコリー」を茎までおいしくいただく活用法!
取材・文 伊東ししゃも
約50年ぶり! ブロッコリーが国の「指定野菜」に
「指定野菜」とは、全国に流通し、消費量が多い野菜のこと。私たちの暮らしに欠かせない重要な野菜として、国が定めています。2025年現在、キャベツやきゅうり、にんじん、ほうれん草など全14品目が「指定野菜」に分類されています。
2026年4月、そんな指定野菜に「ブロッコリー」が仲間入り。1974年にばれいしょ(じゃがいも)が加わって以来、なんと約50年ぶりの追加となるそうです。
ブロッコリーは栄養価も高く、彩りも良いため、みなさんの食卓に並ぶことも多いのではないでしょうか。お弁当のスキマ食材にもぴったりですよね。まさに暮らしに欠かせない野菜のひとつですが、一方で、ある「使われ方」が課題となっています。
食べるのは「花蕾」で「茎」は余りがち
一般的にブロッコリーと言えば、濃い緑がもこもこした部分を想像する人が多いはず。この部分は「花蕾(からい)」といい、柔らかく調理がしやすい部分です。
一方で、固い「茎」の部分はどうしても余らせがち。どうやって調理したらいいかわからず、捨ててしまう人も少なくありません。
茎の廃棄は、食卓での消費に限りません。年々、利便性の高いカット済みブロッコリーの需要が高まっており、その製造過程で茎の部分は廃棄されてしまうといいます。また、レストランなどでも見栄えのいい花蕾の部分のみが使用され、茎の部分は廃棄されたり賄いに回されたりということが多いそうです。
花蕾と同等の栄養価を持ち、ちゃんと食べられる部分であるにもかかわらず、廃棄されてしまいがちなブロッコリーの茎。そんな“もったいない”に目を向け、ブロッコリーの茎をおいしく活用しようというプロジェクトが始まりました。
「じゃないほうのブロッコリーレストラン」期間限定オープン
一般社団法人アップサイクルと株式会社アイファームが共同でおこなう本プロジェクト。2026年2月4日(水)~2月28日(土)の期間、東京・表参道にある「収穫祭 cafe & marche」では、未利用資源であるブロッコリーの茎を使ったオリジナルメニューを楽しめる「じゃないほうのブロッコリーレストラン」が期間限定でオープンしています。
ブロッコリーの茎を使ったおにぎりや味噌汁のセット、たっぷりの野菜がうれしいサラダボウルなど、メニューは全部で6品です。フランス料理シェフ、牧村直哉さんがメニューを監修しています。
今回のメニューに使われるブロッコリーはすべて、アイファームが提供。アイファームでは年間3,500トンのブロッコリーを生産しているものの、約800トンの茎が廃棄されてしまっているそう。
レストランでは、シェフ考案のオリジナルメニュー提供のほかに、ブロッコリーの詰め放題キャンペーンや、ブロッコリーの販売、茎を使ったオリジナル商品の販売も行われています。食べるだけでなく、買って、知って、持ち帰る。ブロッコリーを丸ごと楽しめる仕掛けが詰まった取り組みです。
自宅でも作れる「茎」アレンジレシピ
今回のプロジェクトでは、レストランで楽しむだけでなく、家庭でもブロッコリーの茎をもっと気軽に使ってほしいという思いから、牧村さん考案のレシピがレストランのリーフレットやアップサイクルの公式サイトで公開されています。そのうちのひとつ、「茎アヒージョ」のレシピをもとに、実際に試してみました。
「固そう」「使い道が分からない」と思われがちな茎ですが、ひと工夫で驚くほどおいしく、立派な一品に変身。にんにくの香りとうまみをまとわせた「茎アヒージョ」は、ブロッコリーの茎のイメージをガラッと変えてくれる一品です。
【材料】
ブロッコリー茎…100g
サラダ油…100ml
にんにく…1個
鷹の爪…1本
フライドオニオン…15g
塩…1.5g
しょうゆ…8g
生姜(すりおろし)…5g
アーモンドダイス…20g
【作り方】
1. ブロッコリー茎、にんにくは粗目にカットしておく。
2. 鍋にサラダ油、にんにく、鷹の爪を入れて、香りがでて色づき始めたら、ブロッコリー茎を入れる。
3. 15分ほど低温で煮込み、塩、しょうゆ、生姜、アーモンドダイス、フライドオニオンを加える。
4. 最後に5分ほど煮込んだらできあがり。
じっくり煮込んだブロッコリーは驚くほどやわらかく、たっぷりのにんにくと、アクセントに加えたアーモンドダイス、フライドオニオンがいい味を出しています。
茎アヒージョを作るにあたり、ブロッコリーの茎は皮をむかずにすべて使用。低温でじっくり煮込むため、茎の固さが気にならないほど柔らかく仕上がります。一方、サラダや味噌汁などに使うときには、茎の固い部分をピーラーでむくと、よりおいしく活用できるそうです。
茎アヒージョのおいしい活用方法も
「茎アヒージョ」は、お店のメニューで提供されているように、ゆでたブロッコリーと和えたり、混ぜごはんにしておにぎりにしたりするのもおすすめ。また、ペペロンチーノもイチオシとのことで、自作の「茎アヒージョ」でペペロンチーノを作ってみました。
ゆでたパスタに、炒めたベーコンとゆでた花蕾(パスタと一緒にゆでました)、そして茎アヒージョを絡めるだけ。にんにくの香りが立ち、ブロッコリーの甘みもしっかり感じられる、満足感のあるペペロンチーノに仕上がりました。思わず「これ、茎?」と驚くおいしさです。
ブロッコリーの茎は味にクセがないため、料理と合わせやすいのも魅力のひとつ。料理がワンランクアップする、シェフ直伝のレシピ。みなさんも試してみてはいかがでしょうか。
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指定野菜となることで、今後より需要が高まっていくと思われるブロッコリー。しかし一方で、花蕾の需要が高まるに伴い、茎の部分の廃棄も増えてしまうと予想されます。おいしくフードロスを削減できる方法で、ブロッコリーの茎の価値をあらためて見出していきたいですね。
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