コラーゲン、ビタミン、リコピン──美肌成分を食べて摂る【栄養満点の美肌スープの作り方】
撮影・川上朋子 スタイリング・伊東朋惠 調理・植田有香子 文・小沢緑子
肌にみなぎるようなハリや弾力をいつまでも保つには、“内側からのケア”が必要という、医師の日比野佐和子さん。
「“肌は内臓の鏡”というほど、肌の状態は腸内環境の影響を受けます。美肌を目指すなら食事を整えることは重要です」
そして食事で摂った栄養素を肌に届けるには、とりわけスープがおすすめ。
「一番は、スープに食材の栄養素がすべて溶け込み、逃さず摂れることです。ほかにも、煮込むと食材が柔らかくなり消化がよくなるので、体が栄養をしっかり吸収できる点や、体が温まり、肌の代謝を促せるのもメリットです」
美肌作りのために必須の栄養素とは?
「まずは腸内の善玉菌を増やす発酵食品と、善玉菌のエサとなる食物繊維が多い食材を組み合わせて摂りましょう。さらに、年齢とともに減少するコラーゲン、加齢や紫外線ダメージによる肌の酸化を抑えるビタミンACEやリコピン、ターンオーバーを助けるビタミンB群、老化を遅らせるオメガ3脂肪酸など、美肌につながる栄養素を補うことも重要です」
次ページから、身近な食材で腸活ができ、美肌成分もたっぷり摂れる具だくさんスープを紹介するので取り入れて。
手羽先と根菜のにんにくスープ
美肌成分のコラーゲンを体を温める根菜と一緒に
手羽先はコラーゲンが豊富。「先端は切り離し、煮込むと同時にだしがとれます」。体を温める作用がある根菜やにんにくと一緒に摂れば血行がよくなり、肌の新陳代謝も促される。
【材料(2人分)】
手羽先…6本(360g)
塩…小さじ1/5
大根…(正味)150g
にんじん…1/3本
にんにく…3かけ
パクチー…1〜2株
A[水…2カップ、酒…大さじ2、ナンプラー…小さじ2]
ごま油…大さじ1/2
塩・胡椒各…適量
レモン汁…適量
【作り方】
1. 手羽先は先端を切り離し、骨に沿って切り込みを入れて塩をふる。
2. 大根とにんじんは4cm長さの乱切りに、にんにくは半分に切って叩く。パクチーの根と茎はみじん切り、葉はざく切りにする。
3. 鍋にごま油を熱し、1の手羽先と切り離した先端を皮目を下にして入れ、強火で焼き目がつくまで焼く。2のパクチーの葉以外とAを加える。沸いたらアクを取り、蓋をして20分、弱火で煮る。塩・胡椒で味を調える。手羽先の先端は取り除く。
4. 器に盛り、パクチーの葉をのせ、レモン汁をかける。
牛肉とクミンのトマトスープ
抗酸化力が高いリコピンをトマトスープで
サビない肌作りには、抗酸化作用が高いリコピンが味方に。「濃縮加工されたトマトジュースを使うと、生で食べるより効率よく摂れます。実はトマト缶よりリコピン量が多めです!」
【材料(2人分)】
牛肩ロース切り落とし…160g
塩…小さじ1/3
かぼちゃ…120g
カリフラワー…120g
セロリ…40g
セロリの葉…2枚
にんにく…1かけ
オリーブオイル…大さじ1
クミンシード…大さじ1/2
A[トマトジュース(無塩)…2カップ、水…1/2カップ、ウスターソース…小さじ1、塩…小さじ1/3]
プレーンヨーグルト…60g
塩・粗びき胡椒…各適量
【作り方】
1. 牛肉は大きければ食べやすい大きさに切り、塩をふる。
2. かぼちゃは7mm幅の一口大、カリフラワーは小房に分けて7mm幅の薄切りにする。セロリは斜め薄切りにし、葉はざく切りにする。にんにくはみじん切りに。
3. 鍋にオリーブオイル、クミンシード、にんにくを入れて弱火で熱し、香りが出てきたら1を加え、中火で炒める。色が少し変わってきたら2のセロリの葉以外を加えて炒め、油がなじんだらAを加える。沸いたら弱めの中火で、野菜に火が入るまで煮る。水分量が足りなければ水を足す。セロリの葉を加え、塩で味を調える。
4. 器に盛り、ヨーグルトをのせ、胡椒をふる。
たらことかぶの玄米スープ
肌のターンオーバーをビタミンB群で整える
玄米を使ったおじや風スープ。「玄米は白米より肌の新陳代謝に必要なビタミンB群が豊富なので、美肌作りに役立てて」。たらこもビタミンB群が多いので一緒にトッピング。
【材料(2人分)】
かぶ…2個(160g)
かぶの葉と茎…40g
たらこ…50〜60g
A[水…2カップ、酒…大さじ1]
玄米ご飯…茶碗1杯(160g)
卵…2個
塩昆布…8g
【作り方】
1. かぶは皮を剥いて1cm角、葉と茎は1cm幅に切る。たらこは薄皮をはずす。
2. 鍋にAとかぶ、玄米ご飯を入れて火にかけ、沸いたら弱火で7分煮る。かぶの葉と茎、卵を割り入れ、白身が固まるまで3分ほど加熱する。
3. 器に盛り、たらこと塩昆布をのせる。
鮭のオイスタースープ
オメガ3脂肪酸が豊富な鮭で、抗酸化中華スープ
肌老化を防ぐアンチエイジング成分のオメガ3脂肪酸。「青魚のほか、鮭にも多いです。また鮭には抗酸化効果抜群のアスタキサンチンも。肌のためにスープにも積極的に使って」
【材料(2人分)】
鮭の切り身…2切れ(200g)
塩…小さじ1/3
れんこん…80g
青梗菜…1株(80g)
しいたけ…2枚
長ねぎ…1/4本(25g)
生姜…1/2かけ(8g)
ごま油…小さじ2
豆板醤…小さじ1/4
A[水…2カップ、オイスターソース・酒…各大さじ1]
【作り方】
1. 鮭は塩をふり10分置いて水気を拭き、一口大に切る。
2. れんこんは皮を剥いて薄い半月切り、青梗菜は3cmに切って太い茎は半分に切る。しいたけは薄切り、長ねぎは斜め薄切り、生姜は千切りにする。
3. 鍋にごま油を熱し、生姜、長ねぎ、豆板醤を加えて弱火で1分ほど炒める。れんこんとAを加え、沸いたら1としいたけを入れ、3分ほど中火で煮る。青梗菜を加え、1分ほど煮て器に盛る。
サバ缶とキャベツの柚子胡椒スープ
抗酸化3大ビタミンのビタミンA・C・Eが勢揃い
「サバ缶はオメガ3脂肪酸はもちろんビタミンE、キャベツはビタミンC、ブロッコリースプラウトはβ-カロテン(ビタミンA)が豊富」。美肌ビタミンが、一碗にぎゅっと凝縮。
【材料(2人分)】
サバの水煮缶…200g
キャベツ…100g
ブロッコリースプラウト…1/4パック
A[水…1と1/2カップ、酒…大さじ2、おろし生姜…小さじ1]
B[とろろこんぶ…4g、柚子胡椒…小さじ1/4、醤油…少々]
オリーブオイル…小さじ1
【作り方】
1. キャベツは7mm幅の細切り、ブロッコリースプラウトは根元を切り落とす。
2. 大きめの耐熱ボウルにキャベツ、A、サバ缶を汁ごと入れ、大きめにほぐす。吹きこぼれないようにラップをふんわりかけて電子レンジ(600W)で8〜9分加熱する。Bを加えて味を調える。
3. 器に盛り、オリーブオイルを回しかけ、ブロッコリースプラウトをトッピングする。
『クロワッサン』1153号より
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