銀座「カフェーパウリスタ」／神保町「ラドリオ」──世代を超えてつなぐ味、変わらない雰囲気に安らぐ老舗喫茶店

1911年創業
ブラジルコーヒーから始まった日本最古のカフェ

日清・日露戦争後、ブラジルへの移民事業に取り組んだ創業者が、その功績に対してサンパウロ州から贈られたコーヒー豆をもとに、銀座にオープン。「鬼の如く黒く、恋の如く甘く、地獄の如く熱きコーヒー」という宣伝コピーで、コーヒー文化そのものを広めた。

こだわりのコーヒーは、大正時代当時の味を伝える「パウリスタオールド」を含む3種が常時用意される。創業時の面影を残す店の1階には3日続けて通ったジョン・レノンとオノ・ヨーコのサインカップの写真が飾られている。

1949年創業
ゆったりとした時が流れるコーヒーと洋酒の店

大正時代にタイムスリップしたようなレンガ造りの空間には、多彩なジャンルの本やアートが並び、サロン的な雰囲気が漂う。「大切にしているのは、このゆったりとした時間の流れです」と店を任されている泉志穂さん。名物、ウインナーコーヒーはウイーン帰りの大学教授の話がきっかけとなり、日本で初めて提供されたものだ。

「コーヒーゼリーのクリームにブランデーを使うのも昔からのこだわり。クリームソーダなど創業当時からのメニューは変えないでいきたいですね」