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藤沢生まれの生ハム──松田美智子の「くらしの歳時記」

古くから伝わる習慣やしつらい、暮らしの知恵。松田美智子さんが取り入れている“歳時記”を紹介します。今回は「生ハム」。

撮影・鍋島徳恭

藤沢生まれの生ハム

藤沢生まれの生ハム──松田美智子の「くらしの歳時記」

藤沢の風土が作り上げた無添加の極上生ハムです

コロナ以降しばらく、イタリアからハムやチーズが日本に入って来ない時期がありました。日本で作っている生ハムってないのかしらと思っていたところ、友人からの「藤沢で美味しい生ハムを見つけたのよ」の一言で、湘南藤沢へGO! 市場の一角にあるお店で、切り立てを試食させていただいて、感激しました。「生ハム好きに教えなくちゃ」と勝手に宣伝したくなっています。とにかく、切り立ての美味しさを知ってしまうと、もう虜。藤沢の豚肉を、藤沢の海風で熟成させるそうです。伺った冬が仕込みの時期で、夏に美味しくなると聞きました。某有名イタリアンのシェフもこの生ハムの存在を知り、藤沢まで買いに来ているとか。作り手の方は藤沢愛の強い方で、藤沢の食材で魚醤も仕込んでいます。生ハムはイタリア製の専用の機械を手回しで切ってくれます。紙のように薄く! 切り立てを2〜3枚すくって食べるのが、一番美味しい。ぜひ市場の中のお店を訪ねてみてください。

『Shoko-Tei』 神奈川県稲荷520 湘南藤沢地方卸売市場内 mail:shokotei1122@yahoo.co.jp 生ハムは部位や風味の違いで数種ある
『Shoko-Tei』 神奈川県稲荷520 湘南藤沢地方卸売市場内 mail:shokotei1122@yahoo.co.jp 生ハムは部位や風味の違いで数種ある

わさびとの相性が気に入っています

生ハムで2種類のオープンサンドを作る。バゲットを好みの厚さに切り、軽くトーストして、室温に置いたクリームチーズをよくかき混ぜてからたっぷり塗る。全てのバゲットに生ハムを2〜3枚ずつのせる。半分のバゲットには生わさびの千切り(皮をこそげて輪切りにしてから千切りにし、塩ひとつまみを合わせて熱湯をゆっくり回しかけ、水気を押さえておく)、残り半分のバゲットには、すりおろしたホースラディッシュをのせる。バゲットが温かいうちに食べる。オリーブオイルを上から回しかけても。

  • 松田美智子

    松田美智子 さん (まつだ・みちこ)

    料理研究家

    近著『家庭料理は郷土料理から始まります。』(平凡社)ほか著書多数。調理道具「JIZAI」をプロデュース。m-cooking.com

『クロワッサン』1149号より

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