煮干酢&薬膳酢──素材を漬け込むだけの「簡単アレンジ酢」を使った、夏疲れ解消レシピ
撮影・津留崎徹花 スタイリング・駒井京子 構成&文・板倉みきこ
煮干酢(にぼす)
漬け込んだ煮干しも丸ごと全部食べて
煮干しに含まれるカルシウムは、酢の酢酸と結びついて酢酸カルシウムとなり、体内への吸収率が上がる。酢に旨みを加え、EPAやDHAなどの栄養もプラスしてくれる。漬かった煮干しはそのまま食べられる。
【材料(作りやすい分量)】
好みの酢…1カップ
煮干し…20尾
【作り方】
煮干しを酢に漬ける。煮干しをおつまみにするなら1〜2日で取り出す。4〜5日ほどで柔らかくなる。常温に置き、煮干しとともに1カ月で使い切る。
煮干酢の南蛮漬け
酢に漬けた煮干しを、汁気をしっかり切って揚げ焼きに。酒の肴にもなり、そうめんにのせても美味。
【材料(作りやすい分量)】
煮干酢の煮干し…10尾
片栗粉…適量
A[煮干酢…160ml
甜菜糖…大さじ2〜3
醤油…大さじ1
赤唐辛子…1本(種を除いて小口切り)]
油…大さじ3
みょうが…2個
すだち…1個
【作り方】
1. Aを混ぜ合わせる。
2. 煮干しの汁気をしっかり拭き、片栗粉をたっぷりまぶす。
3. フライパンに油を入れ、2をカラリと揚げ焼きし、熱いうちに1に浸す。
4. みょうがを縦薄切りにして3と和える。器に盛り、スライスしたすだちを添える。
薬膳酢
いつもの料理に使えば、定番の一品が薬膳になる
昆布の旨みとカルシウムが酢に溶け出し、薬膳のプリンセスと称される生薬・クコの実のポリフェノールと優しい甘みが加わる。甘みと旨みがあるので様々な料理に合い、仕上げにひとたらしするだけでもいい。
【材料(作りやすい分量)】
好みの酢…1カップ
クコの実…20粒
昆布…4×4cm
【作り方】
クコの実と昆布を酢に2日以上漬ける。酢から具材が出ないよう注意し、常温に置き、1カ月で使い切る。
和風シェントウジャン
食欲がない朝でも手軽にたんぱく質をチャージできる、台湾で人気の朝ごはんを和風にアレンジ。
【材料(1人分)】
豆乳…200ml
A[薬膳酢、麺つゆ…各小さじ2〜3]
パクチー…適量
おろし生姜、ラー油…各適宜
【作り方】
鍋に豆乳を入れ、火にかける。器にAを入れ、沸騰直前の豆乳を勢いよく注いで刻んだパクチーをのせる。好みでおろし生姜やラー油などをのせる。ラー油の代わりにごま油をかけてもいい。
薬膳に精通する、料理家で養生デザイナーの井澤由美子さん。食で体を労る、整えるという“食養生”の観点から、今回は夏疲れを解消する、酢を使ったレシピを考案してもらった。
「胃腸の働きが弱まりやすい夏。酢の主成分の酢酸には、唾液や胃酸の分泌を促して消化をスムーズにし、免疫力の維持や強化に役立つ働きがあります。また、酢には血流を改善したり、疲労回復効果なども期待できます」
酢の効果に加え、旬の食材を組み合わせれば滋養強壮が叶うレシピが完成。米酢、黒酢、果実酢など風味の異なる酢を使い分け、夏を乗り切ろう。
『クロワッサン』1147号より
広告