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何を、どこに、どれくらいストック?死蔵品を作らない在庫管理のコツ

適量が分からず、知らずに増えてしまうストック品……。必要量や買い足しのタイミングを把握して、スマートに管理する方法を学びたい。防災備蓄収納プランナー協会代表の長柴美恵さんに教わります。

イラストレーション・小林マキ 構成&文・板倉みきこ

ストック管理を成功に導く、基本の3原則を知る。

使いやすいストックルームを維持するには、まずは何を、どこに、どれくらい入れるかを明確にする必要が……。無法地帯の場所の見直しは気が重くなるけど、ここを押さえれば、悩み解消に近づいたも同然。頑張る価値アリ。

何を[場所ごとに必要なものを書き出してリスト化。 ストックを明確にする。]

生活を滞りなく回していくためのストックスペースには、使わないものを置かないのが鉄則。「そのためには、何をストックするかを書き出す必要があります」(長柴さん)。たとえば、トイレ、洗面所、キッチンなど、場所ごとに書き出すと分かりやすい。「これを機に、防災備蓄に必要なアイテムも収納してみては。下記のアイテムを参考にして、自分流の備蓄品を揃えてください」

〈防災備蓄品ってどんなもの?〉

● 飲料水 
● 食料品(主食・おかず・スープ類・おやつ)
● 燃料(カセットコンロ・ボンベなど)
● ラップ 
● ウェットティッシュ 
● トイレットペーパー 
● ボックスティッシュ 
● 簡易トイレ  
● 消毒用アルコール 
● 電池
● 充電器 
● 衛生用品 
● 生理用品 など

リストには、今や必須の防災備蓄品を加えたい。参考アイテムを見ると、普段のストックと重なるものが多いことにも気づく。

どこに[収納スペースを見直し、空き場所にとりあえずものをしまう、を卒業。]

収納スペースがないというのは思い込み。「中に入っているものを面倒でも全部出すと、いらないものが多くを占めていた、なんてことが多いです」。不要品を処分したら、家の間取り図から、各収納スペースの大きさを改めて測り直す。さらに収納するもののサイズも測り、何をどこに入れると使い勝手がいいか考えて。とりあえず入れてしまうと、管理しきれなくなるので要注意。

階段下収納や押し入れ、納戸など、家じゅうの収納場所のサイズや中身を総点検。“何を”でリスト化したストック品を収める場所をつくる。
階段下収納や押し入れ、納戸など、家じゅうの収納場所のサイズや中身を総点検。“何を”でリスト化したストック品を収める場所をつくる。

どのくらい[不安など感情論は排除。合理的な基準に基づき、適正量を判断する。]

ストックの適正量の判断には、合理的な基準が必要。防災備蓄収納プランナー協会では、水、食料品、トイレットペーパーはすべて1週間分の備蓄を提唱。「トイレットペーパーは1回使用分の長さを測り、1週間分を計算。食料品は農林水産省の推奨する備蓄例がありますが、ざっくり1週間の献立を書き出してみて、自分の家庭に必要な品と量を揃えてみるといいのでは」

〈防災備蓄の目安〉

⚫︎飲料水 1日3L × 7日分
⚫︎食料品 1日3食 × 7日分
⚫︎トイレットペーパー 1日の使用量 × 7日分

防災備蓄の考え方で適量を判断。使用頻度の高い生活用品は、使い始めの日付を書いて消耗ペースを把握。ストック数を最小限に。
  • 長柴美恵 さん (ながしば・みえ)

    防災備蓄収納プランナー協会代表

    「収納ドクター」として活躍後、仮設住宅での収納作業など、被災地の支援活動を経て災害対策と防災備蓄の必要性を痛感。現協会を設立し、プランナーの育成とプロ教育を行う。

『クロワッサン』1138号より

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