石田ひかりさんと中江有里さんの「人生を充たす本」
撮影・太田太朗 スタイリング・和田ケイコ(中江さん)、hao(石田さん) ヘア&メイク・丸山智美(中江さん)、横山雷志郎(石田さん) 文・兵藤育子
中江さんから石田さんへ、贈りたい本
左・『よっちぼっち』(齋藤陽道著、暮しの手帖社、2,200円)
写真家の著者と妻は、手話を言葉として生きるろう者。彼らの間に生まれたのは、聞こえる子どもふたり。それぞれの違いを尊重しながら、お互いの思いを伝え合う家族の姿を、美しい写真とともに紡ぐ。
中・『元気じゃないけど、悪くない』(青山ゆみこ著、ミシマ社、2,090円)
50歳の急カーブを目前に、心身の調子を崩した著者。不調のどん底から、「これなら生きていていいかも」と思えるまでの、3年間のリハビリを綴ったノンフィクションといえるエッセイ。お守りにしたい一冊。
右・『富士山』(平野啓一郎著、新潮社、1,870円)
マッチングアプリで出会う男女、大腸内視鏡検査を受ける男性など身近な題材をモチーフに、「あり得たかもしれない人生」に思いを馳せ、今を見つめる5編。読みやすくも深く考えさせられる、短編の妙を堪能。
石田さんから中江さんへ、贈りたい本
左・『無人島のふたり 120日以上生きなくちゃ日記』(山本文緒著、新潮社、1,650円)
ステージ4の膵臓がんと診断され、緩和ケアを選択する著者。夫とふたりきりで無人島に流されてしまったかのような、コロナ禍での闘病を書き残した日記。作家としての客観性を失わない、優しい筆致が印象的。
中・『ちいさな島』(ゴールデン・マクドナルド作、レナード・ワイスガード絵、谷川俊太郎訳、童話館出版 1,650円)
さまざまな生きものが行き交い、穏やかな時間が流れる島に、ある日、1匹の子猫がやってくる。詩的な自然描写や、島と子猫の会話を通して気付きを与えてくれる、哲学的な絵本。谷川俊太郎の美しい訳が光る。
右・『巨樹・巨木図鑑』(小山洋二著、日本文芸社、2,860円)
環境省の基準によると、巨樹とは3m以上の幹周りを持つ樹木のこと。仕事の傍ら20年にわたり全国の巨木を撮影してきた著者が、訪れやすく、出合ったときの感動が大きい巨木を厳選。読み物としても楽しい図鑑。
中江さん/シャツ2万7500円(MARILYN MOON/MARILYN MOON ONLINE STORE https://marilynmoon.jp/) ピアス7万7000円、リング6万9300円(共にVENDOME AOYAMA/ヴァンドーム青山本店 TEL.03・3409・2355) スカートはスタイリスト私物
石田さん/ワンピース11万円(ミナ ペルホネン TEL.03・5793・3700) その他はスタイリスト私物
『クロワッサン』1136号より
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