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収納の工夫と便利グッズで、キッチンでの立ち仕事をラクに——足腰に負担をかけない暮らし方

動線を移動しやすく整える、足腰に負荷の少ない掃除術に変える……。関節をいたわる小さな工夫で、年齢を重ねてからも快適で安心な住まいに。

イラストレーション・小池アミイゴ 構成&文・新田萱子

股関節をはじめ体をきちんとケアしていても、加齢によって、それまでの住まい方が合わなくなることもある。

「その時になって住環境を変えるのは体力的・精神的に大変。50歳を過ぎたら、今の家で快適に暮らすためにできることを考え始めましょう」(インテリアデザイナー・小野由記子さん)

「家事も、元気なうちに負担が少ない方法にシフトチェンジを」と話すのは、知的家事プロデューサーの本間朝子さん。

「家事が手間なくできれば続ける気になり、むしろ心身には良い影響が。それに、動線を良くしたり収納を整えたりすることは、転倒などの事故を防ぐ一助にもなります」

収納の工夫と便利グッズで、キッチンでの立ち仕事をラクに

台所仕事での腰や膝への負担を和らげるには、「滞在時間を短くすることがカギ」と本間さん。「調理は時短を基本に、食事の準備と片づけはムダのない動線で。その上で、足腰への衝撃を低減するキッチンマットなどのサポート用品を上手に使うのも一案です」

アイデアグッズで 体重を分散し、腰痛予防

腰痛予防に効果的として本間さんが注目しているのは、食器洗い時の前傾姿勢をサポートするグッズと、低反発のキッチンマット。

シンクの縁にひっかけ、体重を預けて使用。弾力のあるポリウレタンフォーム製。もたれてシンク 腰楽 2,420円(アルファックス TEL.06・4792・1193)
シンクの縁にひっかけ、体重を預けて使用。弾力のあるポリウレタンフォーム製。もたれてシンク 腰楽 2,420円(アルファックス TEL.06・4792・1193)

「私は水拭きできる素材で、縁が薄くロボット掃除機対応デザインのものを使っています」

高密度のPVC素材が体重や衝撃を吸収。拭けるキッチンマット M 1200×440×12mm 4,000円(PARKLON <a href="https://parklon.jp/pages/contact">https://parklon.jp/pages/contact</a>)
高密度のPVC素材が体重や衝撃を吸収。拭けるキッチンマット M 1200×440×12mm 4,000円(PARKLON https://parklon.jp/pages/contact

鍋はボックスで収納、取り出しやすく

引き出し収納から鍋を取り出す際、「よくある、重ねての収納だとかがむ角度が深くなって腰の負担に。ファイルボックスに入れ、立てて収納すればすぐに取り出せて、上の鍋を持ち上げる必要もありません」(本間さん)

ハンドルが取れるタイプならボックスに横に並べられ、さらに取り出しが簡単。小さなことだけれど、確実に体の負担は減る。
ハンドルが取れるタイプならボックスに横に並べられ、さらに取り出しが簡単。小さなことだけれど、確実に体の負担は減る。

よく使う食器は洗い場の近くに収納

「日常的に使う器は洗いかごの近くに場所を決めて収納し、洗い終わった食器を戻すために動き回る時間を減らしましょう。収納スペースを限定すると使う食器も厳選され、洗い物タイムの短縮にもつながります」(本間さん)

本間家では食洗機を使用し、向かいの引き出しをスタメン食器の収納場所に。脇に立って器を真横に移動させれば片づけ完了。
本間家では食洗機を使用し、向かいの引き出しをスタメン食器の収納場所に。脇に立って器を真横に移動させれば片づけ完了。
  • 小野由記子 さん (おの・ゆきこ)

    インテリアデザイナー

    〝Good Over 50‌’s〟をテーマに100年人生の健やかな住まいを考え、伝える、一般社団法人ケアリングデザイン代表理事。

  • 本間朝子 さん (ほんま・あさこ)

    知的家事プロデューサー

    誰でも無理なく続けられる「知的家事」をTVや雑誌、講演会で提案。著書に『60歳からの疲れない家事』(青春出版社)ほか。

『クロワッサン』1135号より

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