いくら必要？何に使うの？一番気になる「介護のお金」

介護のお金についての知識を持っていても、肝心の自分の親の資産がわからなければ意味がない。

「親と話し合うことは当たり前のように見えて、実は最大の難関です。ほとんどの人は親子でお金の話などしたことがないはず。急に切り出すのではなく、一歩ずつ丁寧にコミュニケーションを積み重ねていきます」

遠方に住んでいて日常的に話をする機会がないような関係性だとしたら、お金の話題を切り出すまでに3年はかかると覚悟を！そのくらい、親にとって自分が衰えることを想定した提案は不愉快なものだし、親子であっても信頼関係が築けていなければ話しにくい、センシティブなテーマなのだ。

「親子だからこそ遠慮がなく、きつい言い方をしてしまうこともありますよね。でも『ちゃんと教えてくれないと私が困るんだから』というように自分の立場ばかり言い募るのは悪手です。老後に安心して暮らしてもらうための話なのだという真意を、高い山を登頂するように丁寧に伝えていきましょう」

◻︎ 週に1回は親へ自分の日々の出来事を、電話やメール、LINEなどで共有している

◻︎ 3カ月に1回は親の家に行き食事を共にしている

◻︎ 母の日や父の日に電話や贈り物をしている

◻︎ 親からよく頼まれごとをされる

◻︎ 親の好きな食べ物を知っている

◻︎ 親の趣味を知っている

◻︎ 親の持病を知っている

◻︎ 親の年金受給額を知っている

◻︎ 親の資産内容を知っている

◻︎ 孫の成長を写真などで定期的に共有している

親との関係性を登山に例えると、今のあなたは……

0〜4個…1〜3合目
5〜7個…4〜6合目
8〜10個…7〜9合目

「最近、会社でこんな仕事をしているよ」
ー会社での出来事を話す

「お母さんの好きなあの歌手の紅白のステージ、感動しちゃった」
ー最近の話題に自分の意見をつけて送る

「こないだの日曜は町内会の集まりに行ったよ」
ー休みにどこへ行ったかを話す

「◯◯が運動会のリレー選手に選ばれました〜！」
ー孫の成長を伝える

「職場でインフルエンザの予防接種を受けたよ」
ー自分の体調を共有する

「最近、歯医者さんに行ってる？」
ー親が美味しく食事をできているかを聞く

「今日は何食べた？」
ー自分で料理しているか、しっかり食事しているかを聞く

「よく眠れてる？」
ー年齢による睡眠の変化をチェック、サポート

「今年、何かやりたいことはある？」
ー経済的、時間的、健康的、精神的にやりたいことができる環境にあるのか、ここから深掘りする

「お母さんって最近誰と仲良くしてるの？」
ー交友関係から親の生活を把握

「これからの人生、具体的にどう過ごしたい？どこでどんなふうに暮らしたいとかあるの？」
ー親の老後のビジョンを聞く

「そのために私に何かしてほしいことはある？」
ー親が描いている人生のために、子どもとしてどんなサポートができるかを確認

「ずっと元気でいてほしいけど、もし入院や介護が必要になったら、誰にサポートしてほしいとかは考えていたりする？」
ーもしもの話をしておく

「今すぐのことじゃないけど、自分で銀行に行けなくなったらお金の管理は誰に任せたいと思う？」
ー親が老後のお金の問題に危機感を持っているかを確認

「管理するのは年金だけと思っていればいいかな？ ほかに預金とか金融資産もあったりする？」
ー具体的な金額を聞く前に、資産の構成を確認