峰不二子の生き様と重なる『ルパン三世』名エンディング曲。【高橋芳朗の暮らしのプレイリスト】
ユー&ザ・エクスプロージョン・バンド「ラヴ・スコール(峰不二子のテーマ)」
峰不二子の生き様と重なる『ルパン三世』名エンディング曲。
声優の増山江威子さんが5月20日、肺炎のため死去しました。88歳でした。
仮に増山さんの名前を知らなかったとしても、きっと多くの方が知らず知らずのうちに彼女の声を耳にしているはず。1960年代から声優活動を開始した増山さんが担当したアニメのキャラクターは、『キューティーハニー』の如月ハニー、『天才バカボン』のママ、『パーマン』のパー子、『オバケのQ太郎』のU子など。なかでも名高いのが1977年から2011年まで、30年以上にわたって演じ続けた『ルパン三世』の峰不二子です。
艶かしい声でルパンを翻弄する不二子を演じるにあたり「健康的な色気」を意識していたという増山さんは、彼女を「理想の女性像」と評価。さらに「不二子はルパンに甘えながらもすべてを委ねることはしない。甘える中にも常に冷めた部分を持ち合わせていた」と話していましたが、まさに不二子は一定の世代にとって「男に媚びない自立した女性」の原体験になっているのではないでしょうか。
そんな不二子のイメージにぴったりだったのが、後年増山さんも歌った『ルパン三世』TV第2シリーズのエンディングテーマ、大野雄二さん率いるザ・エクスプロージョン・バンドの「ラヴ・スコール(峰不二子のテーマ)」。いまにして思えば、タイトルの「スコール」は不二子の自由奔放な生き様のメタファーだったのかもしれません。
『クロワッサン』1122号より
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