【たたき編】ハーブやスパイスで多彩な味を楽しむ、ワタナベマキさんの刺身アレンジ術。
撮影・黒川ひろみ スタイリング・久保百合子 文・小笠原章子
たたき
香味野菜やフレッシュハーブと一緒にたたくことで、生臭みが和らぎ、香りとの一体感が楽しめる。いくつかの香りを合わせて使うと、味に深みが出る。
[ポイント]
まぐろのエスニックたたき
ライムやナンプラー、香菜のエスニックな味わいがくせになる。トルティーヤチップスとの相性も抜群。
【材料(2人分)】
まぐろ(刺身用サク)150g
塩 小さじ1/2
香菜 30g
A[赤唐辛子(小口切り)1/2本 オリーブオイル 大さじ2 ライム果汁 大さじ1 ナンプラー 小さじ2]
トルティーヤチップス 適量
【作り方】
1.まぐろは表面の水気をふき、塩をなじませラップで包み、冷蔵庫で2~3時間おく。水気をふき、1cm角に切る。香菜はざく切りにする。
2.1をまな板にのせ、包丁で軽くたたく。
3.2をボウルに入れ、Aを加えて混ぜる。器に盛り、トルティーヤチップスを添える。
あじのたたき
涼やかな香味と芳醇なみその香りであじのうまみがぐっと際立つ。なめらかな口当たりも後を引く。
【材料(2人分)】
あじ(三枚おろし)2尾(150g)
塩 小さじ1/2
みょうが 2個
青じそ 5枚
みそ 小さじ2
いり白ごま 小さじ1
【作り方】
1.あじは表面の水気をふき、塩をなじませラップで包み、冷蔵庫で2~3時間おく。出てきた水気をふき、ぶつ切りにする。みょうがと青じそは粗みじん切りにする。
2.1をまな板にのせ、包丁で細かくたたく。
3.みそを加え、混ぜながらさらにたたき、いり白ごまを加えて混ぜる。
ほたてのヨーグルトタルタル
まろやかなヨーグルトの風味とほたての甘みが絶妙に調和した一品。ほのかに香るクミンがアクセントに。
【材料(2人分)】
ほたて(刺身用)150g
塩 小さじ1/2
紫玉ねぎ 1/3個(70g)
A[オリーブオイル 大さじ2 ヨーグルト 大さじ1 クミンパウダー 小さじ1/2]
パセリ(みじん切り)少々
パン 適量
【作り方】
1.ほたては表面の水気をふき、塩をなじませラップで包み、冷蔵庫で2~3時間おく。出てきた水気をふき、1cm角に切る。紫玉ねぎは粗みじん切りにし、水に3分ほどさらして水気をふく。
2.1をまな板にのせ、包丁で軽くたたく。
3.2をボウルに移し、Aを加えて混ぜる。器に盛り、パセリとクミンパウダー少々(分量外)をふり、パンを添える。
ひらめとセロリのサワータルタル
ケイパーやレモンの酸味と香りをまとったひらめは別次元のおいしさ。セロリのシャキシャキ感も心地よい。
【材料(2人分)】
ひらめ(刺身用サク)150g
塩 小さじ1/2
セロリ 1/3本(70g)
セロリの葉 2枚
ケイパー(塩漬け)10g
オリーブオイル 大さじ2
レモン(輪切り)6枚
粗びき黒こしょう 少々
【作り方】
1.ひらめは表面の水気をふき、塩をなじませラップで包み、冷蔵庫で2~3時間おく。出てきた水気をふき、1cm角に切る。
2.セロリとセロリの葉は粗く刻む。ケイパーはさっと洗って水に5分ほど浸し、水気をきる。
3.1、2をまな板にのせ、包丁で軽くたたく。ボウルに移し、オリーブオイルを加えて混ぜる。レモンとともに器に盛り、粗びき黒こしょうをふる。
刺身の食べ方のレパートリーを広げて
手軽さが魅力の刺身だが、いつもしょうゆとわさびでは少し味気ない。
「刺身は香りを添えると、見違えるほど華やかな一皿になりますよ」と話すのは、ハーブやスパイス使いに定評があるワタナベマキさん。
「特に香りと相性がいいのが、シンプルなカルパッチョやマリネ。ハーブやスパイス、柑橘などの香りでアクセントをつければ、手をかけなくても満足感が出ます。和のイメージがあるたたきも、ケイパーやナンプラーで酸味や風味をプラスすると新鮮な味わいに」
おいしさが増すばかりでなく、香りには魚の生臭みを和らげる効果も。
「少量の香りでも味の印象が変わります。ぜひ、いろいろ試して刺身の食べ方のレパートリーを広げてください」
『クロワッサン』1119号より