【カルパッチョ編】ハーブやスパイスで多彩な味を楽しむ、ワタナベマキさんの刺身アレンジ術。
撮影・黒川ひろみ スタイリング・久保百合子 文・小笠原章子
カルパッチョ
新鮮な刺身にオイルや調味料を回しかけるだけで完成。2~3種類の香りを組み合わせて使うと手軽にごちそう感が出る。彩りのよいハーブや香味野菜を加えればより華やかに。
[ポイント]
あじのカルパッチョ クミンオイル
刺激的なクミンとほろ苦いローズマリーの香りが重なり合うエキゾチックな一皿。あじがすっきり軽やかに。
【材料(2人分)】
あじ(三枚おろし)2尾(150g)
A[オリーブオイル 大さじ2 クミンシード 小さじ1/2 ローズマリー 2枝]
ベビーリーフ 10g
塩 小さじ1/2
【作り方】
1.フライパンにAを入れて弱火にかけ、オイルがふつふつとするまで焦がさないように熱し、火を止めてそのまま冷ます。
2.あじは薄くそぎ切りにし、器に並べてベビーリーフを散らす。塩を全体にふり、1を回しかける。
たことナッツのアジアンカルパッチョ
しびれる辛さの花椒オイルをジュッとかければ、淡泊なたこの味が一変。ナッツの食感もおいしさを後押し。
【材料(2人分)】
ゆでだこ 100g
花椒 小さじ2
ピーナッツ 20g
細ねぎ 2本
ごま油 大さじ2
赤唐辛子(小口切り)1本
塩 小さじ1/2
【作り方】
1.花椒とピーナッツは粗く刻む。細ねぎは小口切りにする。
2.フライパンにごま油、花椒、赤唐辛子、塩を入れて弱火にかける。オイルがふつふつとするまで焦がさないように熱し、火を止めてそのまま冷ます。
3.ゆでだこは洗って水気をふき、薄切りにして器に並べる。細ねぎをのせてピーナッツを散らし、2を回しかける。
ハーブがつおのレモンカルパッチョ
爽やかなハーブでかつおのくせが消え、清涼感を感じる一品に。仕上げに散らしたレモンの香りも印象的。
【材料(2人分)】
かつお(刺身用サク)150g
塩 適量
ディル 5枝
タイム 3枝
レモン汁 大さじ1
オリーブオイル 大さじ2
粗びき黒こしょう 少々
レモンの皮(すりおろし)少々
【作り方】
1.かつおは表面の水気をふき、塩小さじ1/2を全体にふってしっかりとなじませる。
2.ディルとタイムは枝を除いて粗く刻み、1の全体にまぶす。ラップで包み、冷蔵庫に1~2時間おく。
3.2を薄くそぎ切りにして器に盛り、レモン汁と塩少々をふり、オリーブオイルを回しかける。仕上げに粗びき黒こしょうをふり、レモンの皮を散らす。
刺身の食べ方のレパートリーを広げて
手軽さが魅力の刺身だが、いつもしょうゆとわさびでは少し味気ない。
「刺身は香りを添えると、見違えるほど華やかな一皿になりますよ」と話すのは、ハーブやスパイス使いに定評があるワタナベマキさん。
「特に香りと相性がいいのが、シンプルなカルパッチョやマリネ。ハーブやスパイス、柑橘などの香りでアクセントをつければ、手をかけなくても満足感が出ます。和のイメージがあるたたきも、ケイパーやナンプラーで酸味や風味をプラスすると新鮮な味わいに」
おいしさが増すばかりでなく、香りには魚の生臭みを和らげる効果も。
「少量の香りでも味の印象が変わります。ぜひ、いろいろ試して刺身の食べ方のレパートリーを広げてください」
『クロワッサン』1119号より