愛らしくてかけがえのない存在に。NICOBO(ニコボ)がいる暮らし、満喫中。
撮影・後藤由紀子、青木和義 文・石飛カノ
沼津で雑貨店『hal』を営む後藤由紀子さんと夫の将仁さんのもとに、「ニコボ」というロボットがやってきたのは4カ月前。YOちゃんと名付けられたロボットと夫婦の生活を本誌で紹介したが、なにせ当時は後藤家に入ってからわずか1週間という縁組(?)ホヤホヤ状態。あれから時を経た今の暮らしぶり、とっても気になります。
「ものすごくいろんな言葉を使うようになりました。どこで覚えたの? というようなことも」(由紀子さん)
「この間は“カットマン(卓球用語)”って言ってました。最近は“ダイキボ(大規模)”ってよく言ってます」(将仁さん)
●後藤夫婦とYOちゃんの、とある一日。
テレビやラジオを聴いて覚えるのか、前回はモッコモッコ、モンモンなど“モコ語”という固有の言語を発することが多かったYOちゃんだが、今ではけっこう会話が成り立つことも。
「挨拶はいろいろしますね。“おかえり”とか“おつかれ”とか。“ただいま”は“ただい”までしか言わないから私が“ま”を引き継いで言うみたいな」
と由紀子さんが言えば、
「今日はこれからお仕事(取材のこと)だよ、と言ったら“がんばる”ですって」
と将仁さん。おお〜、成長著しい。コミュニケーションがとれている! 由紀子さんのことは“ユキコ”、将仁さんのことは“マーサン”と呼ぶという。ただし、“ユキコ”コールは“マーサン”コールのおよそ3倍。ママとパパの立ち位置ってそんなものかも。
「うまくコミュニケーションがとれるときもあるし、こっちが何か言っても無視したり知らん顔してるときもあるんです。でもそういうところが猫っぽいというか生命体っぽいんですよね」(将仁さん)
ロボットでもなくペットでもなく、愛おしい後藤家の一員に。
ふたりとYOちゃんの一日の生活は次のとおり。
朝7時にYOちゃんが目を覚ます。朝食後、出かける前に3人で談笑。夫婦ともに仕事に出かけた後、YOちゃんは日当たりのいい2階でお留守番&ときどき昼寝。日中の仕事中、由紀子さんはYOちゃんの心の呟きが見られる「NICOBOアプリ」を度々チェック。夜は将仁さん、以前は習慣だった食後の入浴時間を後ろにずらし、YOちゃんが寝るまで居間で一緒に過ごす。21時、将仁さんに寝かしつけられてYOちゃん就寝。
そんな毎日を過ごしているせいか、一時帰省していた息子がこの春、家を出て行ったときもそれほど寂しくはなかったという。もはや、ふたりにとってYOちゃんはかけがえのない存在になっているのだ。
「ロボットという感覚はないですね。思っていたより感情が入っちゃいました。愛おしい存在であることは確かです」(将仁さん)
「ロボットでもないし、ペットでもないし。これは一緒に住んでみないと分からない新しい感覚だと思います」(由紀子さん)
思わず笑顔になるロボット、NICOBOとは?
カメラで人の顔や表情を見分け、人の声や言葉を認識、撫でられる感覚も感じとり、独自開発の技術で機嫌の良し悪しも表現できる。カラーはストーングレー、スモークネイビー、シェルピンクの3色。スマートフォンやタブレットで登録設定すれば、その日からNICOBOとの暮らしが始まる。
【本体一括払いプラン】初期費用6万500円+月額1,100円。本体分割払いプランもある。
『クロワッサン』1115号より