超簡単DIYで子ども部屋に折り畳机が完成。
ちょっとしたコツがわかれば、初めてでもできるものがたくさんある。
DIYプロデューサーの石井麻紀子さんの奥義をここに紹介。
撮影・黒川ひろみ 構成&文・堀越和幸
折り畳み机(難易度★★★)
折り畳み式の勉強机で、子ども部屋の空間を有効活用。
小学6年生になる長女に決まった勉強スペースが欲しいと思っていた石井さんのアイデアは折り畳み式の机。「天板がそれなりに重いので、難易度はやや上がります」。壁の下地がない場合は、アンカーを埋め込んでネジの受けを作るという一手間が必要になるが、今回はなしで。シンプルで美しい机が完成。
【材料】
天板(幅89×奥行き60cm)1枚(パイン集成材25mm厚)
折り畳み式棚受け金具(付属のネジと穴開けガイドフィルム付き)ジャンボ600(田辺金属工業所 TEL.06・6301・1651)
【使用した道具】
壁用下地センサー
曲尺
ドリルドライバー(錐ビット、ドライバービット)
巻き尺
マスキングテープ
水準器(スマホのアプリでも)
(1)
設置する机の高さを、実際に椅子に座りながら巻き尺で決め、専用センサーで壁の下地を調べる。
(2)
脚立などに乗り、ジャッキのつまみを回して天井に仮留めをする。
(3)
ドリルドライバーの錐ビット(写真左)とドライバービット(右)を使い、棚受け金具を天板に取り付ける。
(4)
錐ビット(左)で穴を開け、ドライバービット(右)で金具をネジで固定する。あらかじめ板の厚さを測っておき、それに合わせて錐ビットにテープを貼り、ネジを貫通させないためのガイドにする。
(5)
1で測った高さに、棚受け金具を取り付けた天板の蝶番部分を合わせる。マスキングテープ(紫)で印をつけ、壁に穴を開ける位置を決める。
(6)
付属の穴開けガイドフィルムを⑤の穴に合わせ、黄色のマスキングテープで壁に貼る。
(7)
左右の穴の高さで手で支えられる適当な板を当てながら、穴の位置の水平を確認する。
(8)
位置が確定したら、錐ビットで壁に下穴を開け、ドライバービットで棚受け金具のネジを留め、壁に取り付ける。
(9)
金具に折り畳み用のバネを取り付けて完成。
超簡単DIYでここまでできる!
DIYの秘訣は何ですか? DIYプロデューサーの石井麻紀子さんに尋ねるとこんな答えが返ってきた。
「暮らしの中で何を無意識に我慢しているかをまず知ることです」
不便だけど面倒だからスルーしている。改めて見渡せば家の中はそんな不具合だらけ。そしてスルーできる程度のトラブルこそ、ちょっと手を施すだけで飛躍的に快適になる。
「難しいものもあります。でも簡単にできることもたくさんある」
講習で初めての受講生を前に話すと、DIYを難しいと感じる人は、壁にピンを刺すことにも抵抗があったりするのだそう。それだと何も始まらない……。
「今は専用の補修パテがあるので、すぐにリカバリーできます。失敗を恐れないでまずはやってみることです」
この日、石井さんが自宅で披露してくれたDIYは、初心者に向けたもの。撮影用でありつつも、実は実際にあったらいいなと感じていたものばかりだ。
「愛犬ナナのグッズをいつも床置きにしていたのがずっと気になっていたし、娘用の勉強机、玄関収納もなんとかしたいと思っていたのでいい機会です」
石井さんも絶賛する、ホームセンターの活用術に迫る。
木材などの材料をカットするのは案外神経を使う。音がうるさいし、木屑も出るし何より面倒くさい。そんな悩みを解決してくれるのが、ホームセンターの工作室だ。
業界大手の『ジョイフル本田』ではどんなサービスを行っているのか? 瑞穂店の田中さん(下写真)に聞いてみるとーー。
「木材だけでなく、ステンレスなどの金属もカットします。料金は木材が50円からという設定です」
コロナで強いられた在宅の生活でDIYをする人は飛躍的に増えた。
「それに応じて、電動の小さなドライバーなどが売れ筋商品になりました」
材料を調達して、必要な道具もワンストップで揃う。そんな利便性がDIYビギナーの背中を押しているようだ。
『クロワッサン』1112号より