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住宅設備メーカーに聞く、今注目のキッチン情報。

台所設備の最大手、LIXILリビング事業部の村上孝子さんに、現在のキッチンのトレンドと最新情報を聞きました。
皆が求めるのは「居心地のいいキッチン」。
日々の食事作りをアシストする新機能や、お手入れが楽でインテリアになじむ新素材の話も。

撮影・小林キユウ イラストレーション・浅妻健司 文・松本あかね

食事作りがつらくない、居住性の高いキッチンがトレンド。

近頃のアンケート調査で注目したいのは、機能や収納の充実に加えキッチンに「居心地や過ごしやすさ」を求める人が増えたこと。機能性や収納についで、キッチンにいるときの気分に重きが置かれるようになってきている。

[住宅購入やリフォームでキッチンを考えるときに大事にするポイント]

(1位)調理や片づけ、掃除をしやすくする機能
(2位)収納の大きさや使いやすさ
(3位)居心地や過ごしやすさ

ちなみに第4位は「デザインや見た目」。居心地やインテリア性が重視される傾向は、オープンキッチンが増え、リビングとつながった空間に配置されるからという指摘も。

キッチンを複数で使うには動線の確保を考えて。

「皆で使えるキッチンにするには、動線がシンプルなことが大切。加えてお互いが邪魔にならない通路幅を確保することも重要です」。1つの方向からの行き止まりでなく、反対側からも回り込めるとなおよい。

キッチンでは火や刃物を使い、熱い鍋を持って歩いたり。通路幅は100〜120cmを目安にするとお盆を持った状態ですれ違える。
キッチンでは火や刃物を使い、熱い鍋を持って歩いたり。通路幅は100〜120cmを目安にするとお盆を持った状態ですれ違える。

しまうためでなく使うための収納。

使用頻度の高いものは、さっと取り出せるところ、手の届く範囲に。キッチンの収納は、ツールをしまうためでなく使うためにあるものと心得たい。

よく使う調味料や食器が、スイッチ一つで降りる棚。〈オートダウンウォール/LIXIL〉
よく使う調味料や食器が、スイッチ一つで降りる棚。〈オートダウンウォール/LIXIL〉

「あれどこ?と家族に聞かれないよう、定位置を決めておきましょう」

頻繁に使うものは手が届くところに。楽な姿勢で出し入れできるし、定位置を決めれば探すストレスもなくなる。
頻繁に使うものは手が届くところに。楽な姿勢で出し入れできるし、定位置を決めれば探すストレスもなくなる。

新素材・ 新機能で便利に。

調理や後片づけがラクな最新機能も続々と登場。「手やモノを差し出すだけで水が出るタッチレス水栓は、食器の予洗いなどで便利な上に水の出しっぱなしを防げます」。

食洗機の前の予洗いに便利。タッチレス水栓ナビッシュハンズフリー。〈LIXIL〉
食洗機の前の予洗いに便利。タッチレス水栓ナビッシュハンズフリー。〈LIXIL〉

インテリアにも馴染み、熱やキズに強い新素材も豊富。

キズに強く熱にも強いので、調理中のフライパンを置けるセラミックのワークトップ。ダークトーンのハイブリッドクォーツシンクは汚れがつきにくく、お手入れもラク。〈LIXIL〉
キズに強く熱にも強いので、調理中のフライパンを置けるセラミックのワークトップ。ダークトーンのハイブリッドクォーツシンクは汚れがつきにくく、お手入れもラク。〈LIXIL〉

引き出し収納はよく見えて出しやすい。

「今キッチン収納は引き出しタイプが主流です」。

シンクやコンロ下の収納は、引き出しタイプが奥まで一覧でき、どこに何があるかわかりやすい。扉収納よりも効率よく収納でき、ラクに出し入れできる。

使いたいものを使いたい場所に、が鉄則。例えば水回りで使うものはシンク下に、など。〈リシェル/LIXIL〉
使いたいものを使いたい場所に、が鉄則。例えば水回りで使うものはシンク下に、など。〈リシェル/LIXIL〉
  • 村上孝子

    お話を伺ったのは

    村上孝子 さん (むらかみ・たかこ)

    LIXIL リビング事業部 リビング商品部 キッチン・洗面商品戦略室

    市場調査や行動観察を元に生活者の立場からシステムキッチンを中心とした企画開発を行う。

『クロワッサン』1112号より

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