退職金を年金型でもらう場合の節税方法は?
会社勤めをする誰にも、やがて訪れる定年という一大事。
退職金や年金について、知らないと大損する可能性も!?
マネージャーナリストで弁護士の板倉京さんに教わります。
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イラストレーション・SANDER STUDIO 文・石飛カノ
Q.年金型でもらう場合のメリットはないの?
A.確定拠出型年金なら一時金をもらった年以降に受け取ると、確実に節税ができる。
企業年金制度には主に「確定給付型年金」と「確定拠出型年金」のふたつがあります。前者は会社が資金を運用し、後者は従業員が会社の資金を運用して退職金を準備する制度です。
前者は一時金での受け取り時期を変えることができませんが、後者の場合は60歳から75歳までの間、好きなときに受け取ることができます。一時金の退職金に加えて確定拠出型年金の退職金がもらえる場合は、退職一時金をもらった年以降に受け取るとお得です。
下のAさんの例で見てみましょう。38年の勤続年数で60歳で一時金と確定拠出型年金を一緒にもらう場合、課税対象額は545万円なので、20%(左上の所得税の速算表を参照)の税率と控除額を計算して所得税額は66万2500円になります。一方、一時金と確定拠出型年金をずらしてもらう場合は、退職した年と確定拠出型年金を受け取った年の所得税額を合わせて35万円。30万円以上も税金がお得になります。
ただし一時金と確定拠出型年金の合計が退職所得控除額(参考記事)より低い場合はまとめてもらっても税金がかからないので、分けてもらう必要はありません。
●所得税の速算表
●Aさんの例で具体的な税金を比較すると。
『クロワッサン』1111号より