習慣にしてしまえば、悩まない。捨て上手な人が日々していること。
料理本編集者の綛谷久美さん、整理収納アドバイザーで文筆家の青木美詠子さんのアイディアを聞きました。
イラストレーション・山口正児 文・田村幸子
全出しして、いらないものを 捨てるのはワクワクすること。
「その場所のものを全部出して内部を掃除し、ずっと使っていないものを処分して、いるものだけを戻します。シンプルだけれど、家じゅうで長年やっているのがこれ。たとえば、引き出しなら、新聞紙を広げて引き出しごとひっくり返し、捨てるものといるものに選別していきます。時間があるときは、この全出しをするとワクワクします」(青木美詠子さん)
ときめく、ときめかない、で 決断する。
「思い出の品、ぬいぐるみ、アルバムなどを捨てるときの基準は、〝こんまりメソッド〟。ときめくか、ときめかないかが決め手に。古くなって汚れたものはときめかないので、あっさり捨ててしまいます」(綛谷久美さん)
タオルは1人2枚限定、1年で捨てる。
「毎日洗濯するから、タオルの予備はいらないんです。バスタオルとハンドタオルをひとり2枚ずつ。飽きがこないブルーグレーとベージュの無地を選びました。収納スペースも小さくてすむし、使う頻度が高いから1年で使い切って気持ちよく捨てられます」(綛谷さん)
捨てる時間割をつくる。
「不用品と向き合う時間がゼロなのに『捨てられない』と嘆く人が多いですが、まずはちゃんと時間を確保すること。土曜日に30分とか、月末に1回とか。いらないものを選別して捨てる時間割をつくるといいですよ」(青木さん)
食器棚は、はみ出す前に処分。
「日ごろから使っていない器に目を光らせ、全く使わないものは処分。重ねすぎなどで取り出しにくくなったら、〝捨てる〟のサインです。3割ぐらいゆとりがあるほうが食器棚は使いやすいと思います」(青木さん)
洋服は、試着すれば捨てる決心がつく。
「洋服は手に持って眺めるだけでは、なかなか捨てる決心がつかないもの。でも実際に着てみたら、『これはもう似合わない』『腰回りが窮屈』『これを着てどこへ行くのか』と、パッと見てわかって、捨てやすくなります。年に1回はクローゼットの中の服を全部出して、ファッションショーのように楽しみながら、着てみて判断。いらないものは捨てて、いるものだけクローゼットに戻しています」(青木さん)
野口悠紀雄式でクリアファイル 整理して、右から捨てる。
「超整理法を読んで以来、野口悠紀雄さん方式を実践してきました。書類はすべてクリアファイルで整理して、1テーマ1クリアファイルに入れ、最新のものをキャビネットの一番左に置くだけ。自然に右側に不要なものが溜まるので、案件が終わるごとに右のファイルから捨てていく。この方法で紙類が機能的に捨てられるようになりました」(綛谷さん)
どうしても捨てられないものは、数を半分にしてみる。
「どうしても捨てられないものは、半分だけ捨てましょう。全部捨てたというさびしさもなく、案外この数でも大丈夫とわかるので」(青木さん)
ライフスタイルの変わり目が捨てる大きなチャンス。
「私たち家族は郊外の100平方メートル超のマンションで暮らしていましたが、都心のほうが暮らしやすいと判断して、70平米の都心の物件に引っ越しました。持ち物は半分以下になりましたね。このときスイッチが入って、捨てることが習慣に」(綛谷さん)
一日一捨ては負担。自分のペースで捨てる。
「一日一捨てがいいと聞きますが、私には『今日は捨てるものがない』とかえってプレッシャーになってできず、まとめて捨てる派です。その人の性格でやりやすい方法を探し当ててください」(青木さん)
洋服は、1年着なければすぐ捨てる。
「1年手に取らなかったら、服もバッグも靴も捨てると決めています。長くても3年。ハイブランドのものは買わないから、特に迷うこともありません」(綛谷さん)
DMや郵便物は玄関先で処分。
「ポストに入った手紙類は、まとめて机に置かず、玄関ですぐに分類します。夫あての郵便物も玄関に置いておき、本人に処分してもらうことに。長く取っておく紙類は面倒でもファイルにしまい、期日まで取っておく書類は一時置き場に入れます。そして、期日後には紙袋を再利用した紙ゴミ入れに。いらないDMやチラシもすぐに紙ゴミ入れへ。そのまま資源ゴミに出します」(青木さん)
『クロワッサン』1083号より