都内最古のコリアンタウン・三河島で楽しむ韓国旅。
日本人向けでない現地仕様の料理を味わえば、旅の高揚感も得られるはず。
次の週末は、アジアを感じる三河島へ。
撮影・田尻陽子 構成&文・熊坂麻美 地図製作・竹中聡司
三河島で韓国旅
戦前から在日韓国・朝鮮人が多く暮らす荒川区にあり、都内最古のコリアンタウンとして知られる三河島。素朴な風情の町に小さな韓国料理店や焼き肉店、キムチ専門店などが点在する。
韓国食材店『丸萬商店』のオーナーによると「1950年に済州島出身の両親がトタンを広げて唐辛子を売ったのがこの店の始まり。そこから三河島に少しずつ韓国の店が増えていった」とのこと。
このエリアは観光地化されていない分、のんびり散策して食事や買い物を楽しめるよさがある。徒歩圏内の日暮里繊維街まで足を延ばすコースもおすすめ。
\見つけた!寄り道スポット/
●肉まん研究所
中国で修業した店主が営む中華まん専門店。
●チャンモニムチキン東日暮里店
韓国式フライドチキンの店。
丸萬商店(まるまんしょうてん)
●遠方からも買い物客が訪れるコリアンタウン・三河島の象徴店。
関東で最古参といわれる韓国食材店。保冷バッグ持参で平日から列をなす人たちのお目当ては、手作りキムチだ。
山芋、セロリ、つぶ貝など多種多彩なキムチやチャンジャが並び、その数なんと40以上!
定番の白菜キムチは先代から続く70年来のレシピで、辛味がほどよく、みずみずしい旨みと柔らかな甘味が後を引く。
毎日10時半にゆで上がるポッサム(ゆで豚)、青唐辛子やエゴマの葉といった生鮮野菜、焼き肉用のカルビやハラミ、生マッコリのほか、大豆の発酵ペースト、チョングッチャンなど、通好みの食材や調味料も揃い、棚をくまなく眺めるのも楽しい。
尾竹橋通り沿いの左手に入り口があり、狭くて見落としやすいのでそこだけご注意を。
●東京都荒川区西日暮里1・4・22
TEL.03・3807・3616
営業時間:9時~18時30分(日曜・祝日~17時30分) 無休
ホン番長ダイニング
●ありきたりの韓国料理ではちょっと物足りない人にも。
三河島と日暮里の中間エリアに今年6月に開店。新鮮な魚介やホルモンを仕入れ、アンコウやタラの煮物、韓国式の天ぷらなど「韓国の食卓に近い料理」を提供する。
ランチの一番人気、ネジャンタンは、丁寧に処理したギアラやハチノスを牛骨スープで煮込んだ料理。
やさしい味に奥深いコクが潜み、一口一口が体に染み渡る。韓国料理のお楽しみ、サービスのおかずはすべて手作りで、味も量も惜しみない。夜に来店するなら「おまかせコース」(2人前から注文可)をぜひ。
刺身、炒めものや肉類など8品が1人前3,000円から楽しめ、界隈で働く人が「どれもおいしい」と太鼓判を押す。メニューにないチヂミなども「言ってもらえば作るよ」というオモニの懐の深さもうれしい。
●東京都荒川区東日暮里4・33・10
TEL.03・6869・4112
営業時間:11時~15時、17時~24時(23時30分LO) 水曜休
韓国料理 世味(かんこくりょうり せみ)
●ずらりと並ぶ豊富なメニュー。〝韓国式中華〞も体験したい。
韓国人夫妻が切り盛りする、小さな食堂。「調味料までできるだけ手作り」にこだわり、チヂミやビビンバなどの定番料理からウゴジヘジャンク(大根の葉や牛肉などを煮込んだスープ)といった珍しいメニューまで、幅広く揃えている。
韓国ドラマでもおなじみのジャジャン麺など韓国式中華も充実し、自家製麺のチャンポンはご主人の一押しだ。
具材の魚介エキスが溶け込んだ鶏ガラベースに唐辛子を加えた真っ赤なスープは、さっぱり味ながら辛味がじわじわ押し寄せる。
近年話題のチーズタッカルビももちろんラインナップ。手作りコチュジャン入りの甘辛ソースをまとった鶏肉と野菜がたっぷりのチーズと絡み合い、ごはんもビールも際限なく進む。
●東京都荒川区東日暮里3・43・8 大河ビル1F
TEL.03・3806・4477
営業時間:11時~23時30分(23時LO) 火曜休
『クロワッサン』1079号より