「大事な書類が見つからない」を防ぐ、人生を変える紙モノ整理術。
撮影・青木和義 文・吉永美代
郵便物やダイレクトメールなど、毎日増えていく紙モノ。とりあえず取っておいた紙が、気づけば山積みに……。そんな紙モノに注目した片づけ法を、石阪京子さんに聞いてみた。
「今までたくさんのお宅の片づけをお手伝いしてきましたが、紙モノの処分に悩む方は多いです。たった1枚の紙が見つからないせいで、保険金がもらえないなどの大損害を被ることも。
紙片づけの方法をマスターすれば、探す時間と手間を減らし、大事なお金の管理さえもきちんとできるように。人生を変えるのが紙片づけなのです」
本誌読者で着付け師の宮田成美さんが、自宅で教室を始めるため石阪さんと紙片づけに挑戦。必要な紙を見分け、ファイルやデータ化するコツを教わった。
新たに入ってきた紙は4つの方法で整理する。
(1)すぐ捨てる。
ダイレクトメールやチラシはすぐ捨ててOK。おトクな情報はたいていサイトに同じ情報が見つかるもの。財布に入ってくるレシートは毎日出して、期限切れのクーポン券や、家計簿や確定申告に使わないレシートは捨てる。
(2)確認して捨てる。
金融機関や自治体、学校からのお知らせは内容を確認し、締め切りがあればカレンダーに記入。残しておきたい情報はデータ化かファイリングする。「ねんきん定期便」などは電子版への切り替えがおすすめ。
(3)ファイリングする。
請求書や保険証券などの「金目の紙」と、投票所入場券や保証書などの「使う紙」は残すべき紙モノ。ジャンル別にファイルボックスを用意して保管する。紙をすぐ処分できないときの当座置き場として、未処理ボックスも用意。
(4)データ化して捨てる。
健康診断結果や学校の年間行事予定表など、紙そのものではなく情報に価値があるものは、スマホで紙を撮影するなど、データ化してクラウドに保存する。クラウドに保存しておくと、外出先でも見られるのがメリット。
(Step1)毎日入ってくる紙モノを仕分けする。
紙片づけの第1段階は、ファイリングに必要なもの(次ページ参照)を用意し、毎日家に入ってくる紙モノを捨てるものと残すものに分類すること。毎日仕分けしていると紙の要・不要の見極めや整理スキルも上がっていく。
(A)ファイリングする
(B)データ化して捨てる
(C)確認して捨てる
(D)すぐ捨てる
(Step2)整理に慣れたら、ため込んだ紙や 書類に着手。
必要な紙を見極めることに慣れたら、いよいよ長年ため込んだ紙モノの片づけに着手!2〜3日間で一気に作業するのが理想的。
▶家を片づけて紙を集め、要・不要を判断する。
まずは家じゅうを片づけて、あちこちに散らばった紙を1カ所にまとめ、要・不要を判断していく。
「すっきり片づいた空間で、思考がクリアな午前中に行うと判断力が上がります」と石阪さん。すぐ捨てるものはゴミ袋へ。その他は「確認して捨てる」「データ化して捨てる」「ファイリングする」「思い出系」に分けてまとめておく。
▶思い出系の紙は決めたサイズに入る分を厳選。
写真など思い出系の紙は最も処分に悩むので、片づけの最後に。子どもの絵や工作は写真に撮ってデータ化が便利。古いアルバムは業者にデータ化を依頼すると手間なく残せる。どうしても残したい紙は、B5程度のサイズの箱を用意し、そこに入る分だけを厳選。
「若く美しいときの写真は人生後半の宝物。ぜひ紙で取っておいて」
▶必要なものはまとめてデータ化 &ファイリング。
データ化やファイリングはまとめて行うと効率がいい。電話やネットで調べないと要・不要がわからない紙も確認作業は一挙に。
「住宅設備の書類や携帯電話を買うときにもらう書類、自治体から送付される防災ガイドブックなども、確認後は捨てられるものがほとんど。『保存版』という文字に惑わされず自分で判断しましょう」