くらし

一部だけ金属、化粧品の容器、液体調味料、捨て方がわからない。困ったモノの処分法。

何ゴミかわからない、気持ち的にゴミにできない……。片づけを阻む厄介ものたちをきっぱり捨てて、部屋も心も清々しく。
  • イラストレーション・オガワナホ 文・長谷川未緒

いらないけど、捨て方がわからない困ったモノ。

「せっかく片づけが進んだのに、最後に手間取るのが、捨て方がわからないものや、面倒で捨てられないものの処分です」

そう語るのは、整理収納アドバイザーとして多くの家を片づけてきた中山真由美さんだ。自治体によって分別方法が異なる点も、ゴミ捨ての難しいところだという。

「わからないものは、その都度、自治体のサイトを確認したり、電話で問い合わせたりする必要があります」

自治体のルールに従うことが基本だが、ここでは口コミで多かった、分別のわかりにくいものや捨て方がわからないもの、情があって手放せないもの等の処分法を教えてもらった。

「粗大ゴミの申し込み等は面倒ですが、きれいになった部屋をイメージしながらスケジュールに組み込んでください。捨てなくちゃ、と頭の片隅で思い続けていたものが片づくと、ほかのものも整理できたり、定位置を作れたりします。心もすっきりするはずですよ」

素材が複合的なものは9割ルールで。

「フックが金属で、ほかは木製のハンガー。フックは力任せに引っ張っても外れず、不燃+可燃の組み合わせは、何ゴミに出したらいいのでしょうか」(40代出版社勤務)

一部に金属などの燃えない素材が使われていても、9割以上が燃える素材ならば可燃ゴミに出してよいと考えます。木製のハンガーはフックを外すのに特別な工具が必要ですから、可燃ゴミに出せます。ただし簡単に分けられるものは分類を。たとえばベルトはバックルを切り離し可燃と金属に、ラップ類の外箱の刃は金属です。

化粧品の液体は出す、容器はそれぞれ分別を。

「ファンデーションやアイシャドーの容器は鏡がついているなど素材が組み合わさっていて捨て方がわかりません。中身が残っているとなおさらで、ドレッサーの引き出しに入れっぱなしです」(50代パート)

「古くなったり使いかけだったりする基礎化粧品。ボトルはリサイクルか、不燃ゴミだと思うのですが、困るのは中身! クリームやローションは、トイレや流しに捨てていいの?」(40代ライター)

鏡付きプラスチックケースのように簡単に分けられないものは、9割ルールで分別します。パウダー類は可燃ゴミですが、取り出せなければ9割ルールでOK。液体は基本的に回収不可。とろみのあるものは割り箸でティッシュなどにかき出し、ティッシュは可燃ゴミに、空にした容器は分別して捨てます。マニキュアは除光液を入れ、混ぜて綿棒でかき出し、香水はスプレーノズルをニッパーやペンチで外し、中身をティッシュに出します。

油は流しに捨てない。新聞紙に染み込ませて。

「流行に乗じて買った亜麻仁油などの食用油や、液体調味料が使い切れずに残っています。中身を捨てようにも排水が気になるし、瓶は洗ってもあまりキレイにならないと思うのですが……」
(40代会社員)

牛乳パックなどにキッチンペーパーを詰めて油を流し入れます。夏場は自然発火を防ぐため水も染み込ませて可燃ゴミへ。一度熱して市販の凝固剤を使っても。容器は各自治体の回収方法に従い、資源ゴミなら台所用洗剤で軽く洗います。流しに捨てると、水質悪化や排水管のつまりの原因になります。廃食用油を回収している自治体もあるので、一度確認を。

中山真由美 さん (なかやま・まゆみ)

整理収納アドバイザー

自身の経験をもとに捨てられない人の気持ちに寄り添う整理術が好評。著書に『心も整う「捨てる」ルールと「しまう」ルール』など。

『クロワッサン』1041号より

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