海鮮丼さん、こんにちは
必要か必要じゃないかは
お客さんが決めることです。
たしかに海鮮丼さんがおっしゃるように
具合が悪くなれば
呉服店よりも病院に先に行くと思います。
重要性、緊急性で考えれば
やっぱり命を守ることがどんなことよりも大事です。
でも、人生は「病気」や「ウィルス」のことばかりではありません。
呉服店をされているからもうすっかりご存知だと思いますが
日本には古来より普段通りの日常を「ケ」の日、
お祝いごとや行事の日を「ハレ」の日と呼んできましたよね。
もし人生に「ハレ」がなにもなかったら
きっとそれはメリハリのない楽しみのないものになったんです。
たまにおしゃれをしたり
たまに美味しいものを食べたり
仕事を休んで出かけたりすることが
あるからこそ、人生を楽しむことができます。
もちろん故人を送るときであっても
きちんと正装することで
心を整えることができます。
だから
海鮮丼さんのやっていることは
ある意味、人の人生に特別な意味を届ける
大事なお仕事なのです。
医療とは比較できない大切な意味があるのです。
もう一度言います。
必要かどうかはお客さんが決めることです。
そしてこんなときだからこそ
着物を着たい人が世の中にはたくさんいるはずです。
サービスを提供する側が「必要ないかも……」と
思ってしまえば
その商品の良さが伝わりにくくなります。
海鮮丼さんが呉服に触れるとき
袖を通すときどんな気持ちになりますか?
背筋が伸びて整う気持ちになりませんか?
それは明らかに部屋着のままで家にいるときと
別のものだと思います。
そんな大事な商品を扱っているということに
自信を持ってください。
わたしはとても素敵な仕事だと思います。