有子さんと正子さんに聞く、装うことの、本当の意味。
年齢にともない変わっていく服装。自分らしくファッションを楽しむふたりにおしゃれの秘訣を聞きました。
撮影・枦木 功(nomadica) 文・松本昇子
年齢を重ねていってもおしゃれは心地よくしたい。
様々な変化に柔軟に対応しながらおしゃれを楽しむふたり。そもそもなぜ装うことが必要なのだと思いますか?
有子さん おしゃれは自分が心地よくいるために欠かせないことだと思います。いいものを長く着たいので、ずっと着られそうと思えば多少高くても思い切って買います。着心地のよさと、上質な素材をまとっている自分自身の気持ちのよさも重視したい。私は本当にTシャツが似合わないのですが、自分で違和感があるものは選びません。紺のブレザーやジャケットも、どこかの係の人みたいになっちゃう(笑)。メンズっぽいものが不得手なのかしら。
正子さん 私は逆で、レース・フリルなどかわいらしいものがNG。ウェディングドレスをデザインしてもらったときに、苦手意識はもったいないかなと思ってリボンに挑戦したけれどやっぱり合わなくて、ごくシンプルなものに変えてもらいました。自分にとっておしゃれはコミュニケーションツールでもあります。服装は“人”を表すから、初対面の人に装いで誤解を生まないようにすることも重要。
有子さん 人から見られる自分を意識するということも装いの役割ですね。
渡辺有子(わたなべ・ゆうこ)●料理家。『FOOD FOR THOUG
HT』ショップディレクター。著書に『料理と私』(晶文社)、『サンドイッチの時間』(マガジンハウス)など多数。
中川正子(なかがわ・まさこ)●写真家。現在は東京と岡山の2拠点を行き来しながら、国内外を飛び回っている。雑誌、広告、書籍など多ジャンルで活動中。写真集に『新世界』『IMMIGRANTS』『ダレオド』など。
『クロワッサン』992号より
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