メイクも着こなしも“抜け感”で余裕を表現する方法。
撮影・天日恵美子 スタイリング・平澤雅佐恵 ヘア&メイク・高松由佳 文・板倉ミキコ
普段の吉川さんのメイクは、大きな瞳を強調したアイメイクが印象的。でも、今回のファッションに合わせるなら、もう少し抜け感が欲しい?
「元々の顔のつくりがはっきりしていらっしゃるので、素材を活かした引き算メイクを提案します。そこに柔らかな艶をプラスして、普段のシャープさとは異なる、優しい表情をつくれたら……」(ヘア&メイク・高松由佳さん)
メイクは大好きだという吉川さん。「素材を活かすって大事ですよね。メイクは欠点を隠すものではなく、美点を活かすものだと思っているんです。トレンドの色も取り入れたいとは思いますが、百貨店に行くとあまりにも数があるから、わけがわからなくなってしまって(笑)」
今回のベースメイクで高松さんが心がけたのは、優しい艶感。「頬がふんわり見えるように、チークの上にハイライトを重ねてみました。また、アイメイクは普段黒をラインに使っていらっしゃいますが、茶色に変えることで、優しさと落ち着きが出せますよ」
それぞれのファッションに合わせたメイクは、リップで変化をつけた。「成熟した女性の口元は、ふんわり立体感を出すこと。トレンドの色の中から、自分の顔立ちに合い、艶っぽさが出るものを選びましょう」(高松さん)
「メイクをすると元気になるんですが、今回していただいたメイクは、ふわっと優しい表情が自然につくれて、本当にエネルギーをもらえました。自分でも絶対試してみますね」(吉川さん)
【リップを濃淡で2本使い、立体感を演出。】唇の内側に濃いめのブラウン、外側に薄めのブラウンをのせ、グラデーションにしてぼかすことで立体感が生まれる。吉川さんの唇は薄めなので、リップのまま輪郭を少し大きめに描いた。セミマットの質感の口紅なので重くなりすぎない。
【ヘルシーさが増す、赤いリップ。】柔らかい艶感と立体感が出せるリップ。薄付き、かつ発色がいい。スポーティなファッションに合わせて明るい赤を選び、ヘルシーな口元に。眉もベースメイクより若干直線的に変え、よりボーイッシュな雰囲気にしてみた。
【ピンクのチークが叶える、若々しくて艶やかな肌。】ベースメイクで一番ポイントにしたのが、ふんわりと発光する肌。ピンクのチークを頬の高い位置に丸くのせ、チークをつけた上の部分にハイライトクリームをプラス。健康的な艶と、自然な丸みを演出。アイラインも茶色にして柔らかさを強調した。
『クロワッサン』957号より
●吉川美代子さん キャスター、コメンテーター/37年間、TBSのアナウンサー、キャスターとして活躍。定年後はバラエティや情報番組など活動の場を広げる。
●平澤雅昌恵さん スタイリスト/雑誌、CMなどで活躍。多くの女優やモデルから信頼を集める。着る人の個性を生かした、トレンドの取り入れ方が絶妙。