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この一手間でぐっと味が入りやすく。
毎日使える減塩調理テクニック。

減塩したい、と思いつつも現実はなかなか難しいもの。そこで、味を感じやすくする工夫や素材の生かし方で減塩できる、基礎テクニックを教わりました。

「味を感じやすくする工夫や、素材の生かし方など、調味料や素材の特性、そして調理科学を理解することで、減塩はかなりクリアできるんですよ」と、料理家で栄養士の小田真規さん。

今回伝授してもらったのは、減塩できてカロリーオフにもつながる、調理の基礎テクニックです。

 

【面積を変える】
切り込みを入れる、叩いて広げるなど、無駄なく効率良く味が入りやすい。

おいしい減塩は合理精神に徹することが不可欠。「尾頭付きも切り身魚の感覚で頭と尾は落とし、食べるところだけ塩を使えば無駄がありません。身に切り込みを入れて表面積を広げると味が浸透しやすくなります」。なすやきゅうりは部分的に皮をむく。鶏むね肉は叩いて広げ繊維をほぐす。焼きそばの麺もあらかじめカット。すべて味をしみこみやすくするための効率の追求です。

 
一尾魚にふり塩をして焼く場合は頭と尾を落としてから。「上手に焼きたい、と尾びれなどにたくさんの塩をつけてしまうと、食べない部分のために余分な塩を使うことに。もったいないようでも、必要なところだけに絞る考え方です」。

食べるところだけ塩を使えば自然と減塩に。

 
切り身魚に細かい切り込みを入れると、表面積が広がって味がつきやすくなる。「包丁で切り込みを入れることで表面積が1.5倍くらい多くなるので、少しの調味料でも全体にいきわたるんですよ」

切り込みを入れて味を染み込みやすく。

 
なすやきゅうりはところどころ皮をむいて使う。「野菜の皮というのは、外敵を防いだり水分を保とうとするためになかなか頑丈なんです。部分的にむくだけでも、調味料が入りやすくなりますし、調理したときの見た目もきれいですよ」

皮を部分的に剥くことで見た目もきれいになる。

 
鶏むね肉はラップをかぶせ、げんこつで叩いて繊維をほぐす。味が浸透しやすく、焼き縮みを防いで、柔らかな焼き上がりに。「鶏むね肉は一定の方向に筋が入っているのが、縮みやパサパサの原因。調理前に叩いて繊維をほぐすと、保水できる空きができるんです」

叩いて繊維をほぐすことで食感も柔らかくなる。

 
焼きそばの蒸し麺は4等分に切ってほぐせば、短時間で炒めることができ、野菜から水分も出にくい。「たいてい袋からそのままフライパンに入れてほぐしながら焼いていると思いますが、最初から切っておけばすぐにほぐれます」

あらかじめ切り分けておくと炒める時間も短縮できる。



 

【分散して調理する】
ひとつの料理を食材別に味つけしたり、調理手順を変えてメリハリを演出。

同じ材料でも、調理の手順やタイミングを変えたり、味つけを分けるひと工夫で、出来上がりがグッと引き立つ。煮物なら、同じ調味で全体を煮るのでなく、具と煮汁に差をつけるとメリハリがきいて満足感を高めることに。
「野菜サラダも最初にオリーブオイルでコーティングしてから調味すると、少量でも塩が付着しやすく味を強く感じられます」。発想の転換は減塩に通じます。

 
「卵や牛乳などもともと塩分を含む動物性の食材は、少しの塩を加えるだけでも、驚くほど味がはっきりします」。親子丼などの卵とじでは、卵にあらかじめ下味をつけて、煮汁を薄くしたほうが、おいしい減塩につながる

卵や牛乳などに下味をつけると塩が少なくても味がしっかり出る。

 
ドレッシングは市販に頼らない。まず油を全体にからめてから、塩↓こしょう↓酢の順番で。「先に塩を入れてしまうと浸透圧で水分が出てきてしまい、味が薄まります。油でコーティングしてあると塩がつきやすくなり、少なくても味をしっかり感じられます

市販のドレッシングは塩分高め。手作りで調整を。

 

ちらしずしは酢飯を作らず、ごはんにすし酢をかける。

1.酢が全体にかかるよう、ごはんを平らに盛り、海苔、 青じそを散らし、生姜のみじん切り入りのすし酢をかける。いつもの半量で充分。

2.ヅケにしたネタをのせる。

 

肉じゃがは、具材にしっかり下味をつけ、煮汁は水で。

1.牛肉に醤油と砂糖で味つけ。

2.じゃがいもと玉ねぎは 炒めて塩やみりんを加えてからめ、水を入れて牛肉と煮込む。具の味に満足感があり、全体の塩分は抑えられる。

 

少しの手間で結果が出る!毎日使える減塩テクニック。
https://croissant-online.jp/topics/38972/

 

◎小田真規子さん 料理家・栄養士/「スタジオナッツ」主宰。健康に配慮した簡単でおいしいレシピが人気。著書に『初めての減塩水クッキング』(セブン&アイ出版)など。

『クロワッサン』911号(2015年10月25日号)より

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