よりよく“歩く”ために知っておきたい、ウォーキングの素朴な疑問
イラストレーション・STOMACHACHE. 文・小林百合子
Q. 長く歩けば歩くほど、いいのでしょうか?
A. 距離や時間より強度が肝心。継続できることを大切に。
「歩くことで体幹を鍛え、筋力や持久力をアップさせるには、長い距離を歩くことよりも運動強度が大切。“ちょっとキツイ”と感じる程度の速度で歩いて初めて筋肉や心肺機能に負荷がかかり、その結果、体じゅうのさまざまな部位が鍛えられるのです。では速歩きで長く歩くほど効果がアップするかというとそうでもなくて、速歩き3分+ゆっくり歩き3分を1セットとして、それを1日5セット、週4日やれば充分です」(能勢さん)
Q. 通勤や買い物の時でもいいですか?
A. 体のバランスが偏らないように注意。
「メリハリのあるウォーキングができるようになったら、通勤や買い物など、日常のあらゆるシーンで実践できるようになります。ただ注意したいのが姿勢や体のバランス。肩にバッグをかけたり、片手に買い物袋を持ったりしていると重心が片方に偏って正しい姿勢をキープできず、膝や腰に負担がかかり、転倒の危険もあります。“ながら”ウォーキングをする際にはリュックを背負うなどして重心がブレないよう工夫しましょう」(能勢さん)
Q. 坂道や階段を歩いてもいいですか?
A. 平地から徐々にステップアップを。
「速歩きでウォーキングを続けていると、5カ月ほどで体が慣れてきます。そうなったら少し速度を上げたり、コースに上り坂や階段を組み込んだりして体への負荷を増やすのがおすすめ。下り坂は体重がダイレクトに膝や腰へ伝わり、ケガや痛みにつながる危険性も。下り坂はゆっくり歩きましょう。平地ではかかとから着地するフォームが理想ですが、上り坂では足裏全体で着地することを意識すればスムーズかつ安全に歩けます」(能勢さん)
Q. ウォーキングの効果をアップする食べ物や飲み物はある?
A. 終了後60分以内にコップ1杯の牛乳を。
「メリハリあるウォーキング後の30〜60分間には、消耗したエネルギー源の補給や傷ついた組織の修復をするため、筋肉が血液中から栄養素を取り込もうとします。この時間帯は“ゴールデンタイム”と呼ばれ、ここまでに乳製品を摂取すると筋力の向上や生活習慣病の改善などに効果があることがわかっています。牛乳やチーズなど乳製品ならなんでもOK。より筋力アップを目指すなら、牛乳で割ったプロテインを飲むのもいいでしょう」(能勢さん)
Q. 疲れにくい歩き方って、ありますか?
A. 正しい重心移動で疲れと怪我のリスクを軽減できます。
「歩く際、唯一地面に接地しているのが足裏です。そこに意識を向け、正しい重心移動を心がけることで、体への負担を少なくすることができます」とは、歩きやすさと快適性を追求した高機能ウォーキングシューズを販売する〈アシックスウォーキング〉の渡村隆太さん。「理想的な重心移動はかかとから着地し、足の外側を通り、土踏まず方向へ、最後は親指の付け根にしっかり体重を乗せ、地面を蹴り出すという流れです。これは人間が生まれつき身につけている自然な歩き方で、全身の筋肉に無駄な緊張がないため、膝や股関節への負担が少なくなります。正しい重心移動ができると姿勢と体のバランスが安定するので、転倒のリスクも抑えられるでしょう」
Q. 体への負担を和らげるには?
A. 自分に合ったシューズやインソールを正しく選びましょう。
ウォーキング用のシューズ選びに最も重要なのは自分の足の特徴を知ること。「サイズが同じでも幅の広さや甲の高さは人それぞれ。足に合わないシューズで歩くと痛みが出たり、姿勢が悪くなったりすることもあるので、足形を取ったり、3D計測するなどして自分の足の形状を正確に知った上で、足に合ったシューズを選ぶことをおすすめします」と渡村さん。足の形がわかれば、既製品には足りない部分を中敷きで補うこともできるという。「セミオーダーの中敷きを使って土踏まずなどの足裏のアーチを補正すると、歩行時の衝撃が軽減され、膝や腰をサポートできます。姿勢が安定して歩行時の推進力も得られるので、疲れにくさにもつながります」
『クロワッサン』1162号より
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