「着ていく服がない」を解決する、初めてのパーソナルスタイリング
撮影・葛川栄蔵(hannah) スタイリング・大沼こずえ(eleven.) ヘア&メイク・山下景子
教えてくれたのは
右:大沼こずえ(おおぬま・こずえ)さん
スタイリスト
雑誌や広告を中心に、CMやドラマなどでも女優のスタイリングを多く手がけ、幅広く活動中。本誌ファッション連載「ずっとの、おしゃれ」も好評。
左:原田マチ子(はらだ・まちこ)さん
料理家、食のトレーナー
料理教室やイベント、アスリートの食トレサポートなどを中心に活動。50代からの女性の健康と美容に考慮したダイエット指導なども行う。
マンネリ化した服選び、体形の変化……。今そこにある難問
服はたくさんあるのに、何を着ても様にならない。40、50代頃から増えてくる、大人ならではの悩み。本来は服が好きだったはずの原田マチ子さんも、最近はおしゃれに消極的になっているそう。パーソナルスタイリングも手がけるスタイリストの大沼こずえさんに手持ちの服をチェックしてもらい、一緒に問題点を洗い出していきました。
原田マチ子さん(以下、原田) ここにあるのは私の春物のワードローブすべてです。いつもカジュアルなのできれいめな大人っぽいファッションにも挑戦したいのですが、若い人向けのショップで買うことが多いこともあり、シックなアイテムが少なくて。
大沼こずえさん(以下、大沼) ややタイト気味の服が多いですね。特にボトムスは体のラインが出すぎたり丈が短いと古臭い印象になってしまうので、これからは選ばないようにするといいかも。ほかにも今っぽくないと思うものはここらへんかな……(と、約半数の服が仕分けられていく)。
原田 あああ〜、恥ずかしい。もうそれらは全部捨てちゃいます!
大沼 そんな早まらないで(笑)。組み合わせ方によってはおしゃれに着られるものもありますから。例えばこの柄シャツはけっこう着ていますか?
原田 いえ、ほとんど着ていません。今53歳なんですが、実は20代の時から体重が10kg以上も増えてしまい、胸周りなど上半身が太って見える気がして。どんどん楽ちんな格好が増えて、最近はスウェットやニットばかり。
大沼 でもトップスはこういった柔らかくてストンと落ちるもののほうが、年齢特有の体形をカバーしやすいんです。特にこのシャツはオーバー丈なので、タイトなパンツにも比較的合わせやすい。デニムも1本ぐらいなら残してあげてもいいかも。
原田 わあ、本当ですね! デニムは好きなんですが、これから買うならストレートやワイドがいいのかしら。
大沼 そうですね。試着してみて、ゆるいと思うものを買うといいです。デニムは洗うと多少縮むし、ゆるめなら食後も楽だから(笑)。デザインもあまり主張しないシンプルなもので、靴下が見えにくい丈ならどんなシューズも合わせられます。
シンプルな白Tシャツは大人の最強アイテム!
原田 そういえばさっき、白いTシャツをじっくりご覧になってましたね。
大沼 ええ、原田さんのお持ちの服で一番汎用性が高いのが、意外にもあのTシャツかもしれない。
原田 えっ、あれが!?
大沼 白のTシャツは最強ですよ。大人の女性は無地やシンプルなデザインに寄せていくほうが清潔感があっておしゃれに見えるので、白Tを軸にしてコーディネートしていくといいんです。
原田 どんなTシャツでもいい、というわけではないんですよね?
大沼 はい。首元は開きすぎると老いやだらしなさが出てしまうので、このようにやや詰まり気味がベスト。そしてこれは前より後ろの丈が長くなっているから、一枚で着やすいのもいい。素材はハリがありすぎるとふわっと膨張して見えてしまうので、綿100%よりは柔らかい化繊混紡のほうが体のラインをきれいに見せてくれます。
原田 確かに、衿ぐりが広いトップスを着ると、首のシワが気になります。
大沼 “首周りの老い問題”には、大ぶりのネックレスやスカーフも活用しましょう。私は今回、「楽でシンプルで着回しも重視した、大人っぽく見せるスタイリング」を意識しましたが、服がシンプルな分、アクセサリーや小物を用いることで完成度が上がります。
(次々コーディネートを作っていく)
原田 すごい、こんなふうに組み合わせるのは初めて。目からウロコです!
大沼 白や無地のTシャツ+シンプルなパンツ+羽織り+アクセサリーをベースに考えていくと簡単ですよ。
原田 用意してもらった靴はローファーもスニーカーも厚底ですね。
大沼 厚底はトレンド感も出るし、歩きやすいのでおすすめです。
原田 あの……ほかにも、ライダースジャケットやチェックのワンピースなど、もっと出番を増やしたい服があって。
大沼 あまり着ないのに買ったのはどうしてですか?
原田 義母が私によく服を買ってくれるんです。大好きな義母なんですが、彼女の中での私は、いつまでも若い嫁なのか、どこか若々しい服を選んでくれることが多くて(笑)。
大沼 そんな背景のある服なら、なおさら素敵に着ましょう!
手持ちの服がここまで今っぽく生まれ変わった!
前ボタンのワンピースを春仕様のアウターとして
原田さんには珍しいチェック柄のワンピース。「義母がくれたもので、かわいいけれどうまく着こなせる自信がなくて」(原田さん)。前開き・膝丈を生かしアウターに。「柄物を着る時は全体の色数を抑えるとスッキリします。首元は大ぶりネックレスをアクセントに」(大沼さん)
右から、デニムパンツ2万7500円(アッパーハイツ/ゲストリスト TEL:03-6869-6670) シューズ3万6300円(ジーエイチバス/ジーエイチバス トウキョウ TEL:03-5843-0777) バッグ8万2500円(メゾン カナウ/ヤマニ TEL:03-5821-5044) ネックレス4万4000円(アビステ TEL:03-3401-7124)
ワンパターンになりがちなデニムシャツの着回しを一新
「デニムシャツも、複数持っているんですよね。でもいつもただそのまま着るだけ」(原田さん)。大沼さんが選んだのは、同系色のティアードスカート。「コンパクトになりがちなので、前開きで着てネックレスでアクセントをつけたら、ボトムスにボリュームを持たせてバランスを」
ネックレス2万2000円(ケンゴ クマ プラス マユ/ヴァンドームヤマダ TEL:03-3470-4061)
オーソドックスなブルゾンは太パンツで今風シルエットに
着回しが利く分、工夫のないコーディネートをして“おばさん”っぽくなってしまうことも。「ワイドなストレートパンツとのコーディネートなら、垢抜けた印象が演出できます」(大沼さん)。習慣的に合わせやすいスポーティな小物ではなく、かごバッグでスタイリッシュに。
バッグ1万5400円(ケッシュ ル エッセンシャル/ザ エディット ストア mail:info@editandcoltd.co.jp)
レイヤードで仕上げる、春のトレンチコートスタイル
ちょっと持て余し気味かも……と原田さん。「薄手トレンチはこれからの季節こそ便利ですよ。暑くなったらすぐ脱ぐ前提でコーディネートを組みましょう」(大沼さん)。手持ちの万能白Tとスカーフ、チェックワンピースでも使ったストレートデニムで、きれいめカジュアルが完成。
右から、スニーカー3万5200円(カラハン/カラハン 東京 TEL:03-5468-6366) デニムパンツ2万7500円(アッパーハイツ/ゲストリスト)
ボトムス選びビフォーアフター。スタイルアップできる素材は?
「テロッとしたブラウスは、同じように薄手で柔らかい素材のパンツを合わせると、着心地は楽ですが体形がだらしなく見えてしまう。固い素材のストレートパンツ一択です」(大沼さん)
上も下も緩い生地だと、年齢的に気になる体形が悪目立ち。
定番スーツをアレンジしたモダンなオフィスカジュアル
セミナーに出席することも多い原田さん。「オケージョンはいつもこのスーツ。おしゃれじゃないですね」と笑う。「もうこのパンツは年齢やトレンドに合ってないかも。せっかくワイドパンツがあるのだから、活用しましょう」(大沼さん)。ロングチェーンで華やかさもプラス。
堅実な印象は与えるものの、このままでは少々古臭いかも。
『クロワッサン』1160号より
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