SOÉEJU(ソージュ)──「女性がいろいろな人生を行き来できる服」大人になった私のための洋服 vol.2
撮影・上原未嗣 文・恒木綾子
SOÉEJU(ソージュ)
市原明日香(いちはら・あすか)さん
「ソージュ」運営
東京大学教養学部卒業後、「アクセンチュア」で経営コンサルティング、「ルイ・ヴィトン・ジャパン」でCRMに従事。その後、別会社に転職するも長男の病気により退職。7年のブランクを経て、2014年に〈ソージュ〉を展開する「モデラート」を創業。
大人の女性がいろいろな人生を行き来できる服を
アパレルを生業にしている人は、生来のおしゃれ上級者。〈ソージュ〉の市原明日香さんは、そんなイメージを大きく覆す異例の経歴の持ち主だ。東京大学を卒業後、ファッション業界とはかけ離れた最大手のコンサルティング会社に就職。その後、転職や結婚、出産を経て、今の会社を立ち上げた。
「もともと私は優柔不断な性格なので、なるべく“選ばなくていい生活”を送りたいと思っていました。でも、洋服ってすごく選択肢が多い。おしゃれな方にとってはそれが楽しみのひとつだと思うのですが、ファッションに苦手意識があった私は、昔からそれが大きなストレスになっていたんです」
起業前は、長男の闘病を機に専業主婦も経験。そこからまた働きに出ようと思った時、またしても洋服が大きな悩みの種になったという。
「息子の看病をしていた時はカジュアル一辺倒だったので、仕事に着ていけるような服がほとんどないような状態。とはいえ、クローゼットの服を全部入れ替えるのはもったいないし、金銭的にも大変だなと。この経験から、女性のいろいろな人生を行き来できる服を作りたいと思うようになりました」
そんな市原さんの想いが注ぎ込まれた〈ソージュ〉の服は、上質な素材感や大人の女性に優しい緩急あるシルエットのほか、オンにもオフにも対応する着回し力の高さが最大の特徴。
「心がけているのは、アイテム一つ一つが点にならず、全部繋がること。食事に例えると、主食のような服。毎日食べても飽きることなく、いろんなおかずのベースになる、そんな着回しのしやすさを考えて企画をしています」
1型あたりの色展開の多さも、忙しい女性に寄り添いたいという思いから。
「試着って、疲れますよね(笑)。何度も試着するのは大変なので、気に入ったものがあれば、その中でいろんな素材や色を楽しんでいただきたい。ただでさえ、大人の女性は日々いろんな選択をしながら忙しく過ごしていると思うので、そこだけはラクをしてほしいという思いもあります」
販売方法はオンライン限定だが、代官山の『ソージュ フィッティング ルーム』では試着のみ可能。そんな形態もまた、ファッションに苦手意識があった市原さんの経験が生かされている。
「私は試着にプレッシャーを感じるタイプ(笑)。試したら買わないといけないのかなとか、サイズが入らなかったらどうしようとか、そういった心配をしてほしくないので、購買と試着体験を切り離そうと考えました」
現在、市原さんのワードローブはすべて〈ソージュ〉の服。なかでもお気に入りは、ワイドパンツだそう。
「自分の体形にぴったり合うのがワイドパンツなんですよね。若い頃はもっと自分に似合う服があるかもしれないと思ったり、流行りにも乗らないといけないと思ったりして、さまざまな服やブランドをチェックしていたんです。でも今は、自分にとってのベストを見つけたので、もうそれで充分。ワイドパンツを選び、それ以外は手放す。そんなふうに自分の価値観を決めたら、服選びがとても楽になりました」
『クロワッサン』1160号より
広告