「ぎっくり腰」対策と予防について専門家に聞きました
イラストレーション・いいあい 文・長谷川未緒
“ぎっくり腰”は通称。医学的には“急性腰痛症”
コリが前触れとしてあることもありますが、腰の圧迫骨折や椎間板ヘルニアなどを除外し、腰が急に痛くなることを急性腰痛症、一般的にはぎっくり腰といいます。“急”がどのくらいか明確な定義はありませんので、何か作業をしてだんだん痛くなったとしても、ぎっくり腰です。
腰につながる太もも裏の筋肉が硬い人は要注意。寝起きや長時間の運転など、同じ姿勢を続けた後も、筋肉がかたまり発症条件になりやすい。もので例えると、プラスチックならしなるけれども、ガラスのように硬いとパリンと割れますよね。ちょっとしたことでピキッときてしまうので、そういう時は急に動かない、日頃から筋肉や関節の柔軟性を保つことが大切です。
対処法
Q. 冷やしたり温めたりしたほうがいいの?
A. 痛み止めを飲んで安静にするほかなし。
痛みがあるときには冷やしたほうがいいといわれることもありますが、医学的には明確な根拠はありません。まずは無理に動かさず安静を保ち、鎮痛剤があれば使用を。湿布は冷やす・温める目的ではなく、痛み止め成分が作用するタイプが現在は主流ですので、あれば貼りましょう。
Q. コルセットは必要?
A. 痛みがある間はすると楽に。
少しきつめに締めると、コルセットが筋肉の動きを補助してくれるので、楽になると思います。骨盤周囲に巻く方がいますが、痛みの原因は骨盤のぐらつきではなく、背筋や椎間関節由来。ですからおへそにコルセットの真ん中がくるように、ウエストのくびれを目安に巻きます。
Q. 医者にはかかるべき?
A. 発熱や、しびれを伴うならすぐに病院へ。
通常なら家で安静にしていれば大丈夫。ただし唸り声が出るほどの痛みは心筋梗塞や腹部大動脈瘤破裂の恐れも。また足のしびれは、椎間板ヘルニアの始まりかもしれません。発熱は感染症の可能性もありますから要注意です。整形外科や内科など医療機関を受診しましょう。
予防
日頃の“動的ストレッチ”
じわじわと筋肉や関節を伸ばす静的ストレッチよりも、おすすめなのは「ラジオ体操」のような動的ストレッチ。かがんだり、ねじったり、そらしたりといろいろな動きをしながら筋肉を伸ばし、関節の可動域を広げることで、ぎっくり腰になりにくい柔軟な体づくりが叶います。
充分な睡眠
睡眠時間が不足していると常に交感神経がたかぶり、全身が緊張状態に。筋肉がつっぱった状態になって腰もバキンとなりやすいと言えます。7時間を目安に、しっかりと睡眠時間を確保すること、リラックスできる時間を作ることは、ぎっくり腰を予防する上でも重要です。
適切な水分補給
ぎっくり腰に効く食べ物はありませんが、水分はしっかり摂りましょう。乾燥すると割れやすくなるものがあるように、筋肉もみずみずしいほうが故障しにくいのです。のどが渇く前に飲む。約1時間ごとに100mlくらいずつ、一日に1Lほど飲むことで間接的な対策に。
同じ姿勢が続くときはこまめにストレッチ
[デスクワーク]
腰の回旋・背骨を動かす
デスクワークで座りっぱなしの人は、1時間に1回は立ち上がって休憩を。椅子に座ったままでも、上半身を左右にねじったり、背中を丸めてから反る、というように骨盤を前傾したり後傾したりする動きもおすすめ。
[長時間の運転]
もも裏を伸ばす
すぐに立ち上がることができない運転中は、安全を確認しブレーキをかけた上で、膝を抱える動きもいいでしょう。同じ姿勢が続くときに、太もも裏、腰、お尻の筋肉の緊張をゆるめることで、予防につながります。
『クロワッサン』1159号より
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