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いつの間にか上昇している?! ──血圧をコントロールする“10の方法”

年齢が上がるにつれて上昇しがちな血圧。なるべくなら薬に頼らず、血圧をコントロールしたい。食生活や睡眠、ストレッチなど、薬学研究者の加藤雅俊さんに血圧をセルフでコントロールするための10の方法を聞いてみた。

イラストレーション・須山奈津希 文・吉川明子

生活習慣編

1食あたり卵2個、豚肉100g、牛乳1杯(200ml)のいずれかが目安。特に卵は圧倒的に栄養価が豊富で、半熟がおすすめ
1食あたり卵2個、豚肉100g、牛乳1杯(200ml)のいずれかが目安。特に卵は圧倒的に栄養価が豊富で、半熟がおすすめ

1. 毎日たんぱく質を体重1kgにつき約1g分食べる

たんぱく質は、筋肉や心臓をはじめとした臓器、血管や血液など、あらゆる組織の主成分。「たんぱく質の豊富な食事を摂ることが、血圧の安定にもつながります。目安は1日あたり体重1kgにつき約1g分のたんぱく質。血管を柔らかくするNO(一酸化窒素)という物質の材料にもなるのです」

疲労回復にも欠かせない睡眠。早めの就寝を心がけ、決まった時間に寝るように習慣づけよう
疲労回復にも欠かせない睡眠。早めの就寝を心がけ、決まった時間に寝るように習慣づけよう

2. 睡眠は7時間半以上とる

高血圧と睡眠には深い関連があり、睡眠不足は血圧を上昇させ、高血圧のリスクを高める可能性がある。「睡眠は傷ついた筋肉や血管、内臓などを修復するための大切な時間ですが、細胞の修復には7時間半必要だというデータがあります。日中に仮眠して、分散して睡眠をとっても構いません」

緊張すると数値が高く出るため、リラックスした状態で測定を。測定時は測定部位を心臓と同じ高さにする
緊張すると数値が高く出るため、リラックスした状態で測定を。測定時は測定部位を心臓と同じ高さにする

3. 血圧を決まったタイミングで測る

血圧の数値は個人差があり、同じ人でも時間帯や活動内容によって大きく変動する。「3日に1回、1週間ごとなど、毎日でなくてもいいので、血圧を測定し、記録してみましょう。血圧は食事や入浴など、1日の活動に応じて変動するため、なるべく同じ時間に測ることをおすすめします」

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エー・アンド・デイ
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HUAWEI WATCH D2 ウェアラブル血圧計
日本の管理医療機器の認証を受けた血圧計内蔵のスマートウォッチ。内部にマイクロポンプを搭載し、ベルトと一体化されたカフで圧迫し測定。6万280円(編集部調べ)

エクササイズ&ツボ押し編

1. 両手を合わせ、腕を頭の上にぐっと伸ばす。この時、しっかりと胸を張り、よい姿勢を保つこと
1. 両手を合わせ、腕を頭の上にぐっと伸ばす。この時、しっかりと胸を張り、よい姿勢を保つこと
2. 肘を曲げて腕を横に広げ、胸を開きながら息を吸い込む。腕は体の真横に持っていき、肺を広げてたっぷりと空気を取り込むイメージで
2. 肘を曲げて腕を横に広げ、胸を開きながら息を吸い込む。腕は体の真横に持っていき、肺を広げてたっぷりと空気を取り込むイメージで
3. 肺を満タンにするイメージで息をしっかり吸い込んだら、手をぎゅっと握り、腕を閉じ、拳を顔の前まで持ってきて息を止める
3. 肺を満タンにするイメージで息をしっかり吸い込んだら、手をぎゅっと握り、腕を閉じ、拳を顔の前まで持ってきて息を止める
4. 3の状態のまま体を前に倒す。3秒間この姿勢をキープしたのち、息を一気に吐く
4. 3の状態のまま体を前に倒す。3秒間この姿勢をキープしたのち、息を一気に吐く
1. 両手を合わせ、腕を頭の上にぐっと伸ばす。この時、しっかりと胸を張り、よい姿勢を保つこと
2. 肘を曲げて腕を横に広げ、胸を開きながら息を吸い込む。腕は体の真横に持っていき、肺を広げてたっぷりと空気を取り込むイメージで
3. 肺を満タンにするイメージで息をしっかり吸い込んだら、手をぎゅっと握り、腕を閉じ、拳を顔の前まで持ってきて息を止める
4. 3の状態のまま体を前に倒す。3秒間この姿勢をキープしたのち、息を一気に吐く

4. 降圧体操(1日2回)

胸郭の可動域を広げ、より深い呼吸を促すのが目的。効率的に酸素を取り込むことで、NO(一酸化窒素)の分泌も促すことができる。

ジャンプしながら空中でお尻を2回叩く。簡単そうに見えるが、意外に難しい。胸を開き、腹筋に力を入れよう
ジャンプしながら空中でお尻を2回叩く。簡単そうに見えるが、意外に難しい。胸を開き、腹筋に力を入れよう

5. ペンギンジャンプ(10秒間)

心肺機能を向上させるためのジャンプ運動。脚や背中の筋肉を刺激し、着地時に少し屈伸運動が入るのもポイント。

1. 両手でタオルを持ち、頭上に上げてバンザイのポーズ。そこから上体をそらして10秒キープ。バンザイに戻り、膝を伸ばしたまま前屈して10秒キープ
1. 両手でタオルを持ち、頭上に上げてバンザイのポーズ。そこから上体をそらして10秒キープ。バンザイに戻り、膝を伸ばしたまま前屈して10秒キープ
2. バンザイのポーズから上体を左側に倒し、右の体側を伸ばして10秒キープ。バンザイに戻り、上体を右側に倒し、左の体側を伸ばして10秒キープ
2. バンザイのポーズから上体を左側に倒し、右の体側を伸ばして10秒キープ。バンザイに戻り、上体を右側に倒し、左の体側を伸ばして10秒キープ
3. 腕を前に伸ばして肩の高さでタオルを持つ。おへそは正面を向けたままで上半身を左方向にひねって10秒キープ。正面に戻り、右方向にひねって10秒キープ
3. 腕を前に伸ばして肩の高さでタオルを持つ。おへそは正面を向けたままで上半身を左方向にひねって10秒キープ。正面に戻り、右方向にひねって10秒キープ
1. 両手でタオルを持ち、頭上に上げてバンザイのポーズ。そこから上体をそらして10秒キープ。バンザイに戻り、膝を伸ばしたまま前屈して10秒キープ
2. バンザイのポーズから上体を左側に倒し、右の体側を伸ばして10秒キープ。バンザイに戻り、上体を右側に倒し、左の体側を伸ばして10秒キープ
3. 腕を前に伸ばして肩の高さでタオルを持つ。おへそは正面を向けたままで上半身を左方向にひねって10秒キープ。正面に戻り、右方向にひねって10秒キープ

6. バンザイ体操(前後左右それぞれ10秒キープ)

筋肉を伸ばす・縮める動きを行うことで筋肉をしなやかにし、血流改善やNO分泌を促す。タオルを使うことで、体をしっかりひねって伸ばせるように。

胸から30cm離した前方で、手のひらを合わせる。押し合うようにギューッと力を入れる。10秒キープして一気に力を抜く。2セット以上行うとより効果的
胸から30cm離した前方で、手のひらを合わせる。押し合うようにギューッと力を入れる。10秒キープして一気に力を抜く。2セット以上行うとより効果的

7. 合掌ポーズ(10秒キープ)

上半身の緊張と弛緩を短時間で行い、血管の内皮細胞を刺激。手に力を入れられるなら、立ち姿でも座った姿勢でもOK。

座った状態で足を床から浮かせ、左右の足首を交差。上側の足は下に向かって、下側の足は上に向かって押す。10秒キープしたら、足首を組み替えて同様に10秒キープ
座った状態で足を床から浮かせ、左右の足首を交差。上側の足は下に向かって、下側の足は上に向かって押す。10秒キープしたら、足首を組み替えて同様に10秒キープ

8. リンパメトリック(左右それぞれ10秒キープ)

上半身の次は、下半身の筋肉にも収縮と弛緩の刺激を与えて強化。座りながらできるので、テレビを見ている時におすすめ。

ストレスや緊張などで優位になった交感神経を鎮めるツボ。手首の内側の横ジワから指幅3本分、腕の幅の中央部分にある。5秒かけて押し、5秒かけてゆっくり離す。左右ともに
ストレスや緊張などで優位になった交感神経を鎮めるツボ。手首の内側の横ジワから指幅3本分、腕の幅の中央部分にある。5秒かけて押し、5秒かけてゆっくり離す。左右ともに
血圧に対して即効性あり。喉仏を起点として左右に指幅2本分の位置にある。首の中心に向かって5秒かけて押し、5秒かけて離す。左右3回ずつ
血圧に対して即効性あり。喉仏を起点として左右に指幅2本分の位置にある。首の中心に向かって5秒かけて押し、5秒かけて離す。左右3回ずつ
ストレスや緊張などで優位になった交感神経を鎮めるツボ。手首の内側の横ジワから指幅3本分、腕の幅の中央部分にある。5秒かけて押し、5秒かけてゆっくり離す。左右ともに
血圧に対して即効性あり。喉仏を起点として左右に指幅2本分の位置にある。首の中心に向かって5秒かけて押し、5秒かけて離す。左右3回ずつ

9. ツボ押し(5秒で押し5秒で離す)

神経が集中しているツボを押すことで刺激を与え、神経の通りを改善し、自律神経に素早くアプローチすることができる。

駅やマンションは階段を使う、普段の散歩コースに階段のある道を組み込むなど、小さな工夫の積み重ねが大事
駅やマンションは階段を使う、普段の散歩コースに階段のある道を組み込むなど、小さな工夫の積み重ねが大事

10. 階段を息切れするペースで上る(腕振りで上ろう!)

水平ではなく上下運動することで、効率的に心肺機能を強化する。息切れし、少し話しづらいと感じるペースで上ることがポイント。

  • 加藤雅俊

    加藤雅俊 さん (かとう・まさとし)

    薬学研究者、薬剤師

    食事や運動、東洋医学、心のケアなどで心身を整える「ホリスティック」を提唱。薬に頼らず若々しく健康でいられる方法を研究。著書55冊、累計発行部数265万部。

『クロワッサン』1154号より

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