美容コーディネーター・弓気田みずほさん×ビューティエディター・入江信子さん「エイジングケアも悩み改善も。化粧水の進化が止まらない!」【信頼コスメ 化粧水部門】
撮影・目黒智子(人物)、久々江 満(商品) スタイリング・山本瑶奈 構成&文・片岡えり
透明感も、ハリも、ツヤも。ハイテク化粧水で肌が変わる!
弓気田みずほさん(以下、弓気田) 化粧水のパワーアップは、日本人の美容に大きく影響しそうですよね。
入江信子さん(以下、入江) 日本人女性の化粧水使用率は9割と世界でもトップクラス。肌を乾燥させる硬水のヨーロッパでは、水=肌が傷む、と美容にネガティブな印象だけど、軟水の日本は、水=肌に優しい、だから。
弓気田 欧米は空気も乾燥しているし断然化粧水よりクリームですね。
入江 湿気が多い日本は水の気持ちよさが直感的にわかるし。温泉も好きだし、日本人の水に対する絶大な信頼は、もはやDNAレベル。
弓気田 みずみずしさ、という日本語からもわかりますね、水への愛が。
入江 そもそも化粧水の基本的役割は潤してキメを整えるというもの。日本女性の肌がきめ細かい、と評されるのは、化粧水の恩恵が大きい気がします。
弓気田 日本の化粧水に不動の名品が多い理由もそのあたりにありそう。
入江 アルビオンのスキコンが1974年、SK–Ⅱが1980年、雪肌精は1985年に誕生。今も人気絶大です。
弓気田 とはいえ一本でなんでもできるわけではなくて。だから、化粧水で潤いを与えて乳液やクリームで閉じ込める、という2ステップが基本。そこにいつからか美容液が入り込んで……。
入江 そういう意味で、化粧水はすごく好きだけど、実は皆、そこまで大事にしていなかったと思うんです。
弓気田 洗顔と美容液の繋ぎとして、習慣でとりあえず塗る感じですね。
入江 いつも身近にいる、空気のような家人的立ち位置というか。それが今年、急に覚醒してスーパーマン化したんです。いきなりパワーアップ!
弓気田 今季は、あらためて「角層」の重要性、水を与えて留めさせることの大切さを各社技術的に追求した、とも感じます。砂漠の乾燥環境で実験したエストも、角層細胞の保水機能を上げるクレ・ド・ポー ボーテも。水を抱えさせてみずみずしく見せるし、バリア機能を高めるし、というレベルに引き上がったのかなと。
入江 角層のケアをする、水分を抱え込むというスーパーさとは別に、エイジングケア的なものを担うヒーローも登場。例えばコスメデコルテは、線維芽細胞が老化しない方向へ誘導する。エリクシールは丈夫で太いコラーゲンを作る最先端のコラーゲンケア。今まで美容液やクリームの機能だったものが化粧水に実装されました。
弓気田 高価なものも増えましたよね。
入江 あと今年に関していえば、化粧水を見るとスキンケアのトレンドがわかるといえそう。老化細胞ケアとかコラーゲンケアとか。また、あくまで個人的意見ですが、今年は「温故知新」年だな、と。成分も発酵やビタミンCがあらためてフィーチャーされ、それが化粧水に入っていて。温故知新成分は、悪さをしないことをわかっているから安全性も魅力なのだと思います。
弓気田 確かに、研究も成分もベーシックをもう一歩深めた形になっているものが多いですね。
入江 スーパーマン化した化粧水に関しては、手応えが早い、とも感じました。ポーラB.A、エリクシール、ランコムは本当に引き締まる。モヤッとした肌がピッとするハリ効果を化粧水でここまで感じること、今まではなかなかなかったんじゃないかな。
弓気田 真皮アプローチは時間がかかるけれど、化粧水は角層に働くから、実感も見た目の変化もスピーディ。手応えの背景にはエイジングケア成分を入れられる乳化技術、ターゲットにしっかり届けるデリバリー技術の進化も。
入江 美容液に入れるような先進成分が自然に溶け込んでいるのも驚きです。
弓気田 テクスチャーも、厚いとろみをのせて潤い感をだすのではなく、しっかり浸透する処方に変わりました。
腕のいいシェフが調理したマニアックな新名品
入江 成分でいえば、発酵ですよね。
弓気田 クレ・ド・ポー ボーテとコスメデコルテという2大スーパー化粧水の主軸が発酵成分。どちらもオリジナリティがあって、マニアックです。
入江 発酵化粧水のパイオニアは杜氏の手の美しさに着目したSK–Ⅱ。米や米麹にもこだわり、発酵プロセスから生まれる機能性成分や働きまで分析した2019年のアルビオン フローラドリップや2023年のFASが、科学的な発酵コスメの引き金になった気がします。
弓気田 新しい発酵は明らかに技術。結果や手応えを出すために、発酵をコントロールしているんです。クレ・ド・ポー ボーテは、4万通りから選び抜かれた米と麹菌の奇跡の組み合わせを見つけ、アミノ酸が豊富なエキスを開発。気が遠くなるプロセスを経て……。
入江 そのオタク感、大好き。
弓気田 キャラが立った独自成分、いいですよね。最近は人気の成分がどれだけ入っているかでスキンケアを選ぶ人も増えていますが、材料が同じカレーでも、シェフや調理法が変われば味は違いますよね?と強く言いたい。
入江 確かに。
弓気田 料理も化粧品も、材料ありき、ではなく作り手の腕次第なんです。
入江 そんな名シェフが作った最新のスター化粧水はエイジングケアもできて高機能美容液がいらないくらいなので、スキンケアの手数を多くしたくない人にとってはすごくいいと思う。
弓気田 ですね。シンプルなケアを丁寧に続けたほうが、肌はいい方向に向かう気がします。
入江 でも続けられる価格も大事。とりわけ化粧水は、高いものをケチって使っても本当に意味がないので。
弓気田 金額を抑えたいなら、研究力がある大きな会社のセカンドラインを試してほしいですね。韓国コスメが人気ですが、日本のドラッグストアコスメも機能や使用感が進化しています。
入江 悩みが増える大人は、年に1回はスキンケアを見直すべきだと思うのですが、一番気軽に変えられるのが、化粧水。ぜひいつものスキンケアに最新の化粧水を1本取り入れてみて。肌を変えてくれるだけの力があるから。
『クロワッサン』1153号より
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