更年期世代になぜ低下する? 骨量と筋力キープに大切なこと
撮影・中島慶子 ヘア&メイク・遠藤芹奈 スタイリング・白男川清美 イラストレーション・おざわさよこ 文・中嶋茉莉花
更年期を境に、女性ホルモン減少の影響で骨量と筋肉量が低下しやすくなる。
「放っておくと、骨折しやすい、疲れやすいなど、日常生活に影響が出ることがあります」と、更年期世代の女性の運動療法に詳しい岡橋優子さんは話す。
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一つでも当てはまったら筋力や骨密度が低下し始めているサインです。
□歩くのが遅くなった。
□階段を上るのがしんどい。
□階段を小走りで下りれない。
□何もないところでよくつまずく。
□片足立ちで靴下を履けない。
□何もしていないのに膝や腰が痛い。
□最近、背が縮んだ。
女性ホルモンの分泌が減少し、骨量と筋力を維持できなくなる
女性ホルモンの一種であるエストロゲンは、骨の形成を促したり、筋肉の合成を促進して筋力を維持する役割がある。ところが更年期にさしかかる50歳前後、エストロゲンの分泌量が低下。加えて、40代になると、成長ホルモンの分泌がピーク時の半分ほどまでに減り、骨や筋肉の新陳代謝もスムーズに行われなくなる。
「骨量、筋肉量ともに維持するためには運動が不可欠です。左の図のように骨量は閉経を境に急激に、筋肉量は毎年1%ずつ減少します。筋肉量が減るとその周りに脂肪がついて、さらに動きにくくなるという悪循環。気づいたときがトレーニングの始めどきです」
下半身の筋肉を鍛え、骨に刺激を。とにかく毎日の小さな積み重ねが大切
「筋肉の中でも衰えやすいのが下半身です。転倒することなく健康的に歩き続けるには、足周りやお尻の筋トレが欠かせません」
さらに、更年期の女性にとってもう一つ重要なのが骨トレだという。
「骨がもろいと筋肉の急な負荷に耐えられず骨折のリスクも高まります。軽い筋トレでも骨に刺激が加わって骨密度を維持できる可能性もありますが、エストロゲンが減るこの世代は、+αで骨に刺激を与えて効果を高めましょう。また、運動効果が表れるには数カ月かかります。衰えをカバーするために習慣化するのがおすすめです」
『クロワッサン』1152号より
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