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ついついやってしまう“リベンジ夜更かし”。体への影響は?

最近よく聞く、“リベンジ夜更かし”。夜になってようやくできた自分の時間を満喫すべく、寝床でドラマを見たり、SNSをチェックし、気付いたら時刻は深夜……。ストレスを発散できる一方で、健康面での心配もあります。

イラストレーション・秋山 花 文・原 千乃

柳原万里子(やなぎはら・まりこ)さん
眠りと咳のクリニック虎ノ門 院長
医学博士、日本睡眠学会睡眠総合専門医・指導医、産業医。多岐にわたる睡眠障害全般の診療と臨床研究のほか、講演など睡眠についての啓発活動を行う。
ついついやってしまう“リベンジ夜更かし”。体への影響は?

Q リベンジ夜更かしは体に悪い?

A ストレスの解消と引き換えのさまざまな代償があると心得て
「リベンジ夜更かしは“日中に自由になる時間がなかった人が夜更かしをしてしたいことをする習慣”を言います。メリットは一時的に欲求が満たされ、ストレスが発散されること。一方で、睡眠不足に拍車がかかったり、常習化すると体内時計が遅寝遅起きへと“夜型化”するというデメリットも。睡眠が不足すると翌日のパフォーマンスが落ちるほか、情緒が不安定になり、肌荒れや肥満も生じやすくなるので要注意です」(柳原医師)


Q リベンジ夜更かしの回避方法は?

A “我慢の数”を減らすのがカギ
「夕方以降に我慢したことやストレスが多いほどリベンジ夜更かしに走りがち*1。そういう夜があってもいいかもしれませんが、体内時計の夜型化を防ぐために週1回程度に留めて。夕方以降にできるだけ“ちょっと一息”する時間を作り、飲食や買い物、SNSなどの欲求を小出しに満たしておくのも、リベンジ夜更かしを回避するひとつの手。自分にちょこちょことご褒美をあげることって大切なのかもしれませんね」(柳原医師)


Q 疲れを引きずらない翌日の過ごし方は?

A 遅起きを避け、疲れていたら“パワーナップ”を。
「夜更かしをした朝こそいつもと同じ時刻に起きましょう。“トリプトファン”を多く含む朝食(大豆や乳製品、はちみつや卵、トマトやバナナなど)を摂ると、日中には幸せホルモン“セロトニン”へ、夜にはおやすみホルモン“メラトニン”へと変化します。機嫌よく過ごし、夜に眠りやすくなるのに役立ちます。日中の疲れや眠気に困るときは15時までに15分程度、机にうつ伏せて寝たふりを。この短い仮眠、“パワーナップ”により数時間のリフレッシュ効果が期待されます。そして寝不足をためないためにその日の夜は早寝を」(柳原医師)

出典 *1 Kamphorst BA, etc. Front Psychol. 2018 Mar 14;9:252.

『クロワッサン』1149号より

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