足腰に負担をかけない暮らし方——腰や膝にやさしく居心地のよいリビング作りのコツ
イラストレーション・小池アミイゴ 構成&文・新田萱子
股関節をはじめ体をきちんとケアしていても、加齢によって、それまでの住まい方が合わなくなることもある。
「その時になって住環境を変えるのは体力的・精神的に大変。50歳を過ぎたら、今の家で快適に暮らすためにできることを考え始めましょう」(インテリアデザイナー・小野由記子さん)
「家事も、元気なうちに負担が少ない方法にシフトチェンジを」と話すのは、知的家事プロデューサーの本間朝子さん。
「家事が手間なくできれば続ける気になり、むしろ心身には良い影響が。それに、動線を良くしたり収納を整えたりすることは、転倒などの事故を防ぐ一助にもなります」
腰や膝にやさしく、居心地のよいリビング作りのコツ
人が集まり、家の中心でもあるリビングダイニングからまずはチェック。
「ソファやテーブルなど大きい家具は壁につけて配置しがちですが、周囲を通れるようにしたほうが、移動時の足腰の負担を減らせます」(小野さん)ひっかかりやすいラグマットや、移動が大変な観葉植物などにも安全策を。
A. 重いものはあらかじめキャスターにのせる
掃除で観葉植物を動かそうとして腰痛に……を防ぐために、「重いものはキャスター付きの台にのせて。リビング以外でも、箱買いした水のボトルや、ファンヒーターなど重い家電の移動にも応用を」(本間さん)
B. ラグはメリハリある色遣いがつまずき予防に役立つ
ふとした拍子にひっかかり、意外と足腰を痛める原因になるのが薄いラグマット。「床とコントラストのある色のものだと、意識が向いてつまずき防止に。ラグの下に滑り止めシートを敷くのも有効」(小野さん)
C. 行き止まりがないように、家具をレイアウトする
関節に負荷がかかるのは、歩きながら向きを変えたり、引き返したりする場面。「リビングでも、行き止まりのない〝回遊動線〞が理想的。可能な範囲で家具の配置を工夫してみてください」(小野さん)
『クロワッサン』1135号より
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