【髪を育てる乾かし方】髪や頭皮が水分を含んだ状態をできるだけ短く。
撮影・天日恵美子 文・小田芳枝
洗髪した後は、できるだけ早く頭皮と髪の毛を乾かすことが何より大事。
「とにかくドライヤーは使ってください。自然乾燥はよくありません。髪は濡れているとゴムのように伸び、脆弱な状態。水に濡れると髪の水素結合が離れるので、パーマや毛染め剤が入るんです。髪は乾いていると固いけれど、濡れているとリスクも大きくなります」
そのためにも、まずはタオルドライできちんと水気を拭き取り、その後はドライヤーで素早く乾かすようにして。
「ドライヤーで髪が傷むのでは、という心配があるかもしれません。が、髪の毛が熱変性するのは100度くらい。髪が濡れている状態だとそこまで高温にはなりません。頭皮に菌を残さず髪を安全な状況にするためにも、中程度から高温にして風量強めで大丈夫です」
STEP1.タオルドライ
「タオルドライは最初はキュキュッと絞るような感じで、ある程度水分を吸えたら、ぽんぽんと軽くタオルを当てていきます」
使用するタオルは、肌負担の少ない柔らかなタイプを選んで。吸水性の高いものを使えばドライヤーの手間も少なく時短にもなる。
STEP2.ドライヤー
ドライヤーは頭の横の部分から後ろへとしっかり当てていき、頭皮を中心にして全体を乾かす。
「髪が長い人は、最初は顔を下に向けて衿足から乾かすようにしてもいいですよ。最終的には、とにかく頭皮が湿っていないようにすることが大切です。ちなみに、前方からドライヤーを当てている人は、首の後ろ側を乾かし損なっている場合が多いので気をつけて。ここは湿気が残りやすい部分で、そのまま寝ると枕に菌が移って増えるなどリスクも大きいので、特に丁寧に乾かしてください」
STEP3.仕上げ
髪と頭皮が乾いたらそれで終わり、という人も多いけれど。
「ドライヤーの冷風を必ず最後に当てて仕上げを。風のリンスやトリートメントだと思って。髪は熱くなると膨張するので、冷風で引き締めてください。その際は手ぐしでもよいのですが、ブラシを通すと歪んでいる毛髪がまっすぐになり、光の反射でツヤが出ます」
CHECK! アウトバスで髪に油分をまとわせる。
ドライヤーの熱にはそれほど神経質にならずとも大丈夫。
「髪の傷みが心配であれば、ドライヤー前にアウトバスのトリートメントをつけるのもおすすめ。インバスで使うのは髪の内部を修復するため、アウトバスのトリートメントは髪に洋服を着せるようなもの。紫外線が強く、髪の毛が乾燥する時季は、せっかくよい成分を入れても流出しやすいので最後に油分をまとわせてあげるといいですよ」
トリートメントはインとアウト、両方使うとより安心。
『クロワッサン』1120号より