油で脂肪を落とせるって、ホント?スリムな体を作る新常識。
撮影・黒川ひろみ スタイリング・官野亜海 文・singt
「油で人生を救われたんです」と語るのは、オイル美容家として活躍するAkiさん。多忙で食生活が乱れていた20〜30代の頃、頭痛やめまいなど原因不明の体調不良に見舞われた。「検査をしたら血液がドロドロだったのです。医師からの指導で亜麻仁油など良質な油を食事に取り入れたら体調が改善し、油の重要性を痛感しました。
体重が気になると、とかく、カロリーに目が行き、やみくもに油をカットしがち。また、特に汗でベトつく夏は、油を敬遠してしまいますよね。でも、健康的に痩せたいなら、体を動かすエネルギーになる油が欠かせません。『脂肪酸』の種類に注目し、目的に合わせて選ぶのがポイントです」
Q 油って、なるべく控えるべきものではないの?
A.健康的な体をつくるうえで欠かせない栄養素の一つです。
「かつては『○○だけダイエット』などが流行しましたが、近ごろ見直されているのは、たんぱく質(Protein)、脂質(Fat)、炭水化物(Carbohydrate)の頭文字をとった『PFC』。これらをバランスよくとることで効率的に体内で働き、健康な体をつくることができます。
炭水化物を含む主食が素早くエネルギーになるのに比べて、体内で長く燃え続けるのが脂質。体内の細胞膜やホルモンをつくり、脳を動かすためにも必要不可欠です。
さらに、潤いとツヤのある肌や髪づくりにも脂質は大切。美容面からも良質な油をとることが有効です」
Q 油をとることでダイエットにつながることもあるって本当?
A.脂肪の燃焼をサポートし、むくみ太りの解消にも効果大。
「習慣的にとると脂肪の燃焼をサポートするといわれる『MCTオイル(中鎖脂肪酸油)』が今、注目を集めています。もともとは医療現場で使われてきた油で、素早くエネルギーに変わり、体内に脂肪として蓄積されにくいのが特徴。摂取と共に、活動的に動くことで、よりカロリーを消費しやすい体になります。料理に適量プラスすると、満腹感が長く続くのもうれしいですね。また、むくみ太りの原因になる便秘の予防にも油が効果的。私は腸のぜん動を促すオリーブオイルも毎日とっています。健康的なダイエットには、良好な腸内環境を保つことも重要です」
Q 油の効果的なとり方や分量を教えてください。
A.意識してとるのは1日大さじ1杯。適量をおいしく取り入れて。
「体重の数字を半分に割り、kgをmlに置き換えた量が、必要な脂質の目安。体重60kgの場合、約30ml(大さじ2杯)になりますが、食品や料理には隠れた脂質が含まれているので、意識してとる量を半分の大さじ1(小さじ3)と考えて。例えば調理の炒め油に小さじ1を使うとしたら、残りの小さじ2をダイエットに取り入れたいMCTオイルやオリーブオイルに。また、体の老化を防ぎ、体内でつくり出すことができない『オメガ3脂肪酸』がとれる亜麻仁油もおすすめです。1日をより活動的に過ごせるので、私は朝食に取り入れています」
Q おすすめの商品や選び方があれば教えてください。
A.おいしいと思えるもの、目的に合わせた4種を台所に。
「ダイエットのサポートにMCT、エイジングケアに亜麻仁、便秘防止にオリーブオイルを。また、MCTと亜麻仁油は加熱に向かないので(温かいものにかけるのはOK)、加熱調理にはビタミンEが豊富な米油がおすすめ。まずは試してみて、自分がおいしいと思えるものをみつけてください」
【MCTオイル】
1.日清MCTオイル HC
MCTオイルとして、日本で初めての「機能性表示食品」。BMIが高めの人の体脂肪や内臓脂肪、ウエストサイズを減らすサポートに。MCT100%で、味やにおいが少なく、すっきりした味わい。Akiさんのおすすめはコーヒー、トマトジュースなどのドリンクや、朝食のみそ汁、ヨーグルトに加えること。「味を邪魔せず、コクと深みが出ます」。
【亜麻仁油】
2.日清アマニ油 フレッシュキープボトル
亜麻の種子の一番搾りを丁寧に仕上げて作られた生食用のオイル。体内でつくることができないオメガ3を1日小さじ1杯で手軽に補える。開封後も酸化を防ぐボトルを採用しており、新鮮さが長持ち。「私は朝食べる糠漬け、キムチなどと一緒に冷蔵庫にセットしておき、とり忘れないようにしています。漬物がマイルドになって、いっそうおいしくなるんです」。
【オリーブオイル】
3.チェントンツェ オーガニック エキストラ・バージン・オリーブオイル
「世界中のものを使って比べたなかでも、フレッシュな香りと味わいが特に秀逸です」。
4.アロンソ エキストラ ヴァージン オリーブオイル コラティナ
「イタリアとスペイン産は11月ごろ収穫されますが、チリ産オリーブは5月に収穫。日本の夏野菜がおいしい時季に"ヌーボー"が楽しめます。コラティナ種は程よい辛さで料理のアクセントにぴったり」。
【米油】
5.SPREAD & DEEP by Akiプレミアム米油
Akiさんプロデュース。「米油には自律神経を整えるといわれるγ-オリザノールが含まれるので、ナーバスになりがちな、ダイエット時の心のサポートにもいいんですよ。透明ボトルが一般的ですが、酸化を防ぐため、こちらの商品は遮光ボトルを採用。丁寧に圧搾したあと、薬品や溶剤を使わず精製しています」。無味無臭でどんな料理にも合う。
『クロワッサン』1121号より