夏バテしやすい時季を迎える前に! サウナで汗をかきやすい体になる。
撮影・北尾 渉 イラストレーション・しりあがり寿 構成&文・中條裕子
[ 外サウナ ]夏を迎える前にサウナに入っておくとよい理由とは?
定期的に入ることで、熱中症が予防できる。
サウナは今やブームを通りこし、健康を支えるインフラ(基盤)なのだと、日本サウナ学会の代表理事も務める医師・加藤容崇さんは言う。サウナで得られる効果の中でも、これからの時季に期待できるのが熱中症や夏バテを防ぐというもの。
「サウナに入ったら汗かきになって暑さに弱くなった、という人がいるのですが逆なんです。汗がかけるのは体温の上昇が抑えられているということ。サウナには体温の上昇が緩やかになって抑えられる、暑熱順化の効果がある。自律神経の機能がサウナに入ることで上がり、鍛えられるんです」
ただし、この効果はサウナに入らないと2〜3週間で元に戻ってしまうという。
「1回でも効果はあるものの、週に1〜2回定期的に入ると保たれます。夏バテしやすい時季を迎える前に、サウナを習慣化すると、快適に夏が過ごせますよ」
紫外線を浴びて傷ついた肌を修復してくれる。
サウナには紫外線を受けてダメージを負った肌細胞を修復してくれる効果があるという。紫外線対策がとかく気になる季節、これは聞き逃せない情報だ。
「人間は骨折などのダメージを受けると発熱し、ヒートショックプロテインという特殊なタンパク質が出て細胞を修復するスイッチが入ります。肌も同じ。紫外線を受けて傷んだ細胞を修復するのに、顔の温度が40度くらいになるサウナは最適。これはお風呂では得られない効果です」
また、サウナ室の中は熱いので毛細血管が増え、血流もよくなる。結果、赤ちゃんのように湿度のあるピンク色の肌になれるというから、血色が気になる年代にはこれもうれしい効果のひとつ。
効果的な入り方と、注意すべきこと。
サウナって息苦しくて熱い空間に座ってひたすら我慢し続ける場所なんでしょ?というのはひと昔前のイメージ。加藤さんも「我慢することには意味がありません」と強調する。
「熱いサウナ、冷たい水風呂は体にとって緊急事態。交感神経が優位になり緊張した状態になるんです。その後、休憩でリラックスするときに副交感神経が活性化します。自分でコントロールするのが難しい自律神経を、外的な環境を借りて一時的に緊張状態におき、それを一気に緩和することで深くリラックスするようにする。それがサウナの本質です」
安全に楽しむためにも、初心者は次のようなことに注意を。
●3つの見ないを守る。
1 汗の量を見ない。
2 温度計を見ない。
3 時計を見ない。
「“3つの見ない”を実践してください。まず汗の量を見ないこと。サウナ室内でかく汗は結露。空気中の水分がついているだけなんです。次に温度計。そもそも温度ではなく体感が全て。体調が悪いと自律神経も状態が鈍くなっていて熱く感じることも。最後が時計。時間ではなく心拍数を指標にしてみてください」
おすすめは、息が切れない程度の軽い運動をしたときの心拍数を目安にして、実際に測りながらそこまで上がったら出るという方法。その後の水風呂も、いきなり入るのがしんどいようなら無理をせず、シャワーのみで体の表面を冷やし、休憩をのんびり取るようにしよう。
「女性は顔の温度に敏感なので、顔が火照っているだけで体が温まっておらず、水風呂を冷たく感じることがある。サウナ室では下段に座り、顔の皮膚をタオルで覆うとよいでしょう。また、持病がある人は水風呂を控えたほうがよい場合も。何かしら持病のある人は主治医に相談してから、サウナを利用するようにして」
\サウナの基本的な入り方。/
[サウナ室 (下段に座って心拍数を測る)]
↓
[水風呂 (足からゆっくり入って無理はしない)]
↓
[休憩 (サウナ室と同じくらい時間をかける)]
※この順番で3セットほど繰り返す。
おすすめのサウナ施設はこちら。
女性におすすめのサウナとして加藤さんが挙げたのがこちらの3軒。
「あとは、定期的に通うのであればスポーツジムについているサウナも利便性が高くいいでしょう。駅近にあるジムなどは、サウナとスパだけを利用する会員もいるくらい」
京都・丹後 ぬかとゆげ
東京・渋谷 渋谷SAUNAS
東京・千駄ヶ谷 TOTOPA都立明治公園店