7人に聞いた、「お守りアクセサリー」と幸運の物語。
アクセサリーにまつわる幸運の物語を7人に聞きました。
撮影・徳永 彩(KiKi inc.)、黒川ひろみ、大河内 禎 文・中島茉莉花
「奇跡のメダイ」を持ち帰ったら、新たな仕事も舞い込むように。
高橋美賀(たかはし・みか)さん
カフェ店主
カフェ勤務後、独立。月の満ち欠けに合わせて営業するスタイルのカフェ『ムーン ミカ タカハシ コーヒーサロン』を東京・四谷三丁目で運営している。
「占い好きで、見ていただく先々で『前世は南仏の田舎町にいた』『アルザス地方のお城の姫だった』などと言われていたんです。それが本当かもと思えたのは、パリにある、奇跡のメダイ教会で。足を踏み入れた瞬間、なぜだか懐かしさがこみ上げてきて、涙が溢れ、止まらなくなりました。
教会は、マリア像が描かれたメダイを授かることができる場所。私もひとついただいてネックレスにし、肌身離さずつけています。〈ルーツ〉を身近に感じていられる安心感からか、以前より自分らしくいられるようになったのが大きな変化。それに気づいた方々から、私自身を取り上げる仕事に誘っていただけるようになりました」
水晶の輝きとともに、亡き母の願いを胸に。
小林陽子(こばやし・ようこ)さん
アートディレクター
音楽関係会社勤務。アーティストのビジュアルやプロモーション用制作物を手がけたり、展覧会やイベントのアートディレクションをしたりと活躍。
「長年の友人からある日連絡をもらい、唐突に『クロスのネックレスを持っている?』と訊ねられたんです。亡くなった私の母からメッセージをキャッチしたと言って。そのネックレスとは30代の終わりごろ、母が私にプレゼントしてくれたもの。それを『〝お守りにしなさい〟と言っている』と。
微細なことに影響を受けやすい子どもだった私を心配してくれたのかもしれません。それからは毎日つけるようになりました。同じく母が10代だった私に『そろそろ本物を』と贈ってくれた18Kのハートのネックレスと、水晶のネックレスも重ねづけするとしっくり。胸元にあると、邪気を受けずにいられる気がし、安心感があります」
お伊勢さんとの ご縁と両親の想い。新旧の繋がりがありがたくて。
中野聡美(なかの・さとみ)さん
PR
アバロン代表。ブランドのPR、コンサルティングを行う。ジュエリーブランド『ヒロタカ』の麻布台ヒルズ店オープンを迎え、多忙を極める。
神社仏閣通であることがおしゃれ業界に広く知られている中野聡美さん。その評判から、伊勢神宮ゆかりの宮師『宮忠』が手がけるアクセサリーのPRを請け負うことに。愛用のブレスレットは、チャームに紙垂(しで)がデザインされたもの。
「これをしていて何か失敗したということがまだ一度もありません」
シルバーとオニキスのリングは『ヒロタカ』。
「オニキスは正しい決断を助ける意味があるそうです。仕事のある日は毎日つけています」
ルビーのリングは母から譲り受けたエンゲージリング。
「ここぞという大事な時や重要なプレゼンの時につけてます。私のラッキーカラーも赤なので、守られている気持ちがしますね」
3度なくなり、3度とも戻ってきた、〈親子〉ピアス。
小林一美(こばやし・かずみ)さん
デザイナー
アパレルで企画、生産、バイイングなどを担当した後、独立。ブランドを立ち上げ、表参道にアトリエ兼ショップ『ル・ピボット』を構える。
「白いオパールのピアスは、実は片方だけ3度なくしているんです。いつも人から指摘されてから気づき、探し回って、最後には必ず見つかるという……。来た道のマンホールの端の小さな穴に落ちそうになりながらひっかかっているのを見つけた時は、『いてくれてありがとう』と感激しました。
必ず同じほうがなくなるのが気になって、ストーンリーディングをお願いしたことがあります。読んでくださった方曰く、対のオパールは親子! うち、子どものほうが好奇心旺盛で、未知の世界を見たくて出かけていたそうです。そんな経緯から愛着もひとしおです」
祖父の形見の印台リングで、ここぞの時には“召喚”。
恩田ルーシー(おんだ・ルーシー)さん
アンティークバイヤー
英国アンティークの食器、雑貨を扱う『Say It with Lucy’s』店主。キャラクターデザインに携わっていた経験から、グラフィックデザイナーの顔も。
「手元にあるアクセサリーは少なく、若い頃に家族から贈られたものや自分で買ったもの、20年ほど前のアメリカ留学時代に同級生たちと作ったものなど古いものばかり。思い出と共に使い続けていて、ひとつも欠かせない宝物です。
祖父の形見の印台リングは、名字が彫られているからでしょうか、身につけると、祖父が近くにいるのを強く感じられる、守り神。
大きな買い付けやプレゼンの前など、どうしても力が欲しい時、このリングをして、祖父を呼び出すんです。他力ばかりではだめとわかりつつ、祖父が傍らにいるはずと信じると、ホッとできます」
色石やサボテンのリングで求心力が アップ。仕事に変化も。
平松昭子(ひらまつ・あきこ)さん
イラストレーター、ブロガー
web、雑誌などにイラストやコミックエッセイを寄せる。水墨画や日舞をたしなみ、着物を愛好。上方舞・吉村流の名取でもある。
「体調や気持ちのゆらぎに敏感になり始めた40代の初め頃から、石付きアクセサリーのパワーを信じるようになりました。よくつけている、ダイヤモンドがあしらわれたカクテュス(仏語でサボテン)、ブルートパーズ付き、シトリンの3つのリングは、すべて『仕事運が上がるように』と願いを込めて購入したもの。
イラストが掲載された雑誌のページをめくる動画をSNSにアップする時、どれかひとつをつけるようにしていますが、効果絶大。
フォロワーが増えましたし、ファッション関連の仕事の話など、イラストの枠を超え、仕事の幅が広がったと感じています」
大一番で背中を押してくれる存在感あるシルバーバングル。
石毛のりえ(いしげ・のりえ)さん
スタイリスト
会社員を経て、スタイリストに。女性ファッション誌や広告、WEBメディアまで幅広く活躍する。アクセサリー企画を担当する機会も多い。
「今の仕事を始めて20年近く経っても、初めてお会いする方々との仕事はいまだに緊張します。そんな時に頼りになるのが『エルメス』のバングルです。イタリア・フィレンツェを旅行した際に手に入れたもの。幅が6cmほどあって、私自身、手に取るのを一瞬ためらったほど、迫力があります。
でもその気迫にいつも助けられるんです。鎖の連なりを象っているのも珍しいのか、たいていはバングルについて聞かれ、それを機に会話が弾むことが多々あって。それで、ここぞという日は必ず腕にはめ、『これがあれば大丈夫』と呪文のように唱えてから出かけています」
アクセサリーは全て私物です。価格を明記している商品以外のブランドへの問い合わせはご遠慮ください。
『クロワッサン』1108号より