ウイルスと菌の違いは? 専門家に聞く正しい知識。
なんとなく選んでしまいがちな菌やウイルスから身を守る商品。薬剤師ライターの高垣 育さんと富士フィルムメディカルシステムズの阿部洋史さんに正しい知識と最新情報を聞いた。
撮影・岩本慶三 イラストレーション・山口正児 文・寺田和代
Q.ウイルスと菌の違いは?
菌とウイルスの最大の違いは生物かそれ以外かです、と阿部さん。
「菌は栄養素を取り込み、細胞分裂する生き物であるのに対し、ウイルスは非生物。細胞の一片のようなもの。それ自体では何もできませんが、人の細胞と結びつき、そこから様々な情報を人体に送り込んで自分の複製を作り始め、悪影響を及ぼすものもあります。新型コロナウイルスはその典型例。例えると、ウイルス感染したUSBスティックをパソコンに差したら、そこからパソコン全体が感染してしまうイメージ」(阿部さん)
もう一つの大きな違いはサイズ。
「菌は1〜10ミクロン程度の大きさですが、ウイルスはさらに小さく、0.1ミクロン以下のサイズのものが多い」(阿部さん)
ウイルスと菌は別物だから、それらが原因で病気になった際の処方薬は当然異なる。
「風邪の時に抗生物質を処方されないことがあるのはウイルスが原因のときが多いです。抗生物質は細菌感染の治療に使う医薬品なんです」(高垣さん)
『クロワッサン』1034号より