シワに効く化粧品の登場で、一生表情豊かな人でいられそう。
撮影・金子吉輝 文・小林良子
2017年は、年明け早々から世間をあっと言わせるシワ対策化粧品が登場。新たな1ページが開かれたシワケアの最新事情とおすすめの新商品を、二人の美容のプロに解説してもらった。
松本 2017年最初のニュースといえば、1月1日に発売されたポーラ リンクルショット メディカル セラム。
倉田 なんといっても日本で初めて、シワ改善効果が厚生労働省に認められた製品ですからね。
松本 15年もの歳月を費やしたという、メーカーの研究と熱意の賜物。肌のコラーゲンやエラスチンを分解する酵素「好中球エラスターゼ」が、シワの原因のひとつだという世界初の発見が、製品化につながっています。
倉田 そこに働きかけるのが、4つのアミノ酸誘導体でできた有効成分「ニールワン」。認可がおりたことで、直球で“シワに効く”と言い切れる成分です。
松本 これまで、手応えを感じられる成分でも“乾燥による小ジワを目立たなくする”という言い方に限定されていたところから、大きく前進。
倉田 美容に携わっている我々も衝撃的で、業界全体が沸きましたよね。
松本 はい、私たち書き手にとっては、効果をストレートに伝えられるようになったという意味で画期的。加えて、普段それほど美容に興味がない友人の間でも度々話題にのぼったことが、注目度の高さを物語っていると思います。
“化粧品は効く”時代へ、もうひとつの歴史的製品が誕生。
倉田 そしてもうひとつ、革命的なアイテムとして注目されたのが、2017年6月に発売された、資生堂のエリクシール 美容濃密 リンクルクリームです。
松本 ポーラと同じく、シワ改善効果を厚生労働省が認可。ダイレクトにシワを改善する効能が認められたのは、今のところ、この2社の製品のみです。
倉田 リンクルクリームに有効成分として配合されているのが、「純粋レチノール」。肌のヒアルロン酸産生力を向上させる成分で、ハリとみずみずしさをもたらし、シワを跳ね返してくれます。
松本 実はこの純粋レチノール、今までのシワ対策化粧品にも配合されてきた成分なんですよね。
倉田 そう、コスメ業界ではよく知られた定番的な成分ですが、より詳しい分析や実証データにより、改善効果が認められました。
松本 純粋レチノール入り化粧品は長く使ってきましたが、やっぱり効いてたんだ!と、うれしくなりました。
倉田 実感はあるけど、もしかしたら気のせい? そんな化粧品への迷いを払拭し、お手入れの期待感を高めてくれた製品です。
二大製品の使い心地は? 首やまぶたに確かな手応えも。
倉田 実はポーラのセラムは、正直、個人的には、あまり心地よいとは言えないテクスチャーでした。
松本 普通の美容液と比べると、少し硬めですものね。
倉田 でも、成分の安定配合のために水分を控えたことが硬さの理由だと聞いて納得。そう聞くと、この軟膏のような感触がシワ消しのお薬のように思えて、逆に説得力を感じました。
松本 私はむしろ、しっかりしたこの感触がシワの溝を埋めてくれる感じがして抵抗はなかったですね。毛穴をぼかすメイク下地に発想を得て、このテクスチャーができあがったそうですよ。
倉田 肌にトレーシングペーパーをのせたように、さらっとしますよね。
松本 はい、瞬時にシワが消える気がして続けてお手入れしたくなります。
倉田 贅沢に首のシワにも使ってみたんですが、私の場合、顔より効果が顕著。メーカーは2本の継続使用を勧めていますが、私は2本目くらいで“チョーカージワ”が薄くなったようです。
松本 私もわかりやすかったのは、首。1本半ほど使ったあたりで、「あ、浅くなっているかも」って。顔は表情ジワがあるので、首より効果が少しわかりにくいかもしれません。
倉田 でも、顔の肌のシワも柔らかくしなやかになったような。表情ジワではなく、真顔のときでも刻まれているタイプの深いシワに向く気がします。
松本 ほうれい線のようなシワにいいかもしれませんね。一方、資生堂は肌を内側からふっくらさせるような感覚。
倉田 保湿効果も高いので、加齢で肌が痩せてしぼんだ感じが気になる人にぴったり。シワのタイプでいうなら、細かいキメジワに適してますよね。
松本 私は、上まぶたがピンッと引き締まった気がしたのが最初の実感。肌密度が低下して、くしゅくしゅ寄ったシワを伸ばしてくれるイメージです。
倉田 使い心地としては、伸びがよくなめらかで肌にピタッとフィット。塗った後もしっとり潤います。
松本 おそらく誰もが心地よく感じる感触ですよね。ピンポイントでなく、広い範囲にも塗りやすいですし。
倉田 価格的にお手頃なので、使い続けやすいのもうれしいです。
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