暑さのメリットを生かした盛夏の家事。
撮影・広田行正 文・嶌 陽子
暑さを利用してコンロの油汚れを簡単に落とそう。
「〝年末の大掃除〟というイメージが強いコンロですが、実は気温の高い時季のほうが、油分がゆるんで落としやすいのです」。天板の油汚れを落とす、五徳や受け皿をつけ置き洗いするなど、家にいる日にコンロの集中掃除をしてみては。
素足で過ごすなら、フローリングの掃除はこまめにしたい。
素足で家の中を歩くことの多い時季。「足の裏の汗や脂でフローリングに汚れがつきやすくなるので、こまめに水拭きしましょう」。余裕があれば、汚れ防止のためにワックスがけをするのもおすすめだ。
臭いを防ぐ、この時季ならではの生ゴミ対策。
真夏は特に生ゴミの臭いが気になる季節。「水気を避けることが大きなポイント。生ゴミを入れる容器や袋を、できるだけ水場に近づけないことです」。密閉できる袋に生ゴミを入れてこまめに捨てたり、新聞紙を折って箱を作り、その中に野菜くずなどを入れたり。生ゴミは水分を吸う新聞紙でくるむだけでも臭い対策になる。「それらをゴミ箱に入れた後、上から重曹をふりかけておくと、さらに消臭効果がありますよ。その上から生のミントの葉を数枚ちぎってのせたりするのもおすすめです」。生のミントが手に入りにくい場合は、薬局などで買えるはっか油を数滴垂らしてもいい。
エアコンの稼働効率を上げるために、室外機に日除けを。
「エアコンの室外機に直接日光が当たっていると、稼働効率が下がり、エコと家計、両方の面でロスになります。すだれや市販の室外機用日除けカバーなどをかけて、日陰にしておく工夫をしましょう」
シーツやタオルケットをこまめに洗って干せば、日中の日除け代わりにも。
寝ている間も汗をよくかくこの時季。シーツやタオルケットはこまめに洗濯したい。「夏は乾きやすいので、朝洗って干せば、午後には乾いているはず。大きなシーツなどをベランダに干しておけば、室内の日除けも兼ねてくれますよ」
ふきんを清潔にして食中毒のリスクをできるだけ減らす。
気温と湿度が高いこの時季、怖いのが食中毒。台所の衛生管理にはくれぐれも気をつけたい。「頻繁に使うふきんは2〜3日に一度は漂白剤にひと晩つけ、翌朝、日なたでよく乾かしましょう」。台ぶきんはもちろん、意外と見落としがちなのが食器拭き用のふきん。「洗った食器を拭くので清潔と思いがちですが、食材など、いろいろなものに触れた手で持つと、雑菌がすぐ付着します。こまめにきれいにしておきたいものです」。雑菌の一番の〝運び屋〟は手。生ものを触った後、ついそのままふきんや食器を触ってしまう、ということはないだろうか。まずは手をよく洗うことが、衛生対策の大前提だ。
濡れてもすぐ乾く盛夏こそ、実は窓掃除にぴったり。
窓や網戸、サッシのレール、玄関など、家の外まわりの掃除は、冬は寒くておっくうになりがち。暑い夏にこそ、おすすめの家事といえる。「濡れてもいい格好に着替え、子どもや孫と一緒に水遊び感覚でやってみてはいかがでしょう。水もすぐ乾くし、おすすめです。ホースを使ってさっと水をかけ、雑巾やブラシなどで掃除して。時間帯は、体調を崩さないよう、暑すぎない午前中がおすすめ。また、節水やご近所への配慮を心がけましょう」
『クロワッサン』953号より
●毎田祥子さん 家事アドバイザー/「ラクしてきれいに」をモットーに家事を研究。著書に『「忙しいのにきちんとしてる」と言われる人の31のルール』など。
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