暑い時季こそ見直したい、賢い冷蔵庫の食材管理術。
撮影・森山祐子 文・斎藤理子
いつ開封したかも定かではない調味料の瓶が牢名主のように居座るドアポケット。冷蔵室の奥深くに鎮座する、カピカピになってもはや正体不明のお惣菜。野菜室の底には、ミイラ化した野菜が眠る。整理整頓された冷蔵庫にしたいと日々思いながらも、現実の冷蔵庫は〝困ったあるある〟に満ちている。それを何とかしないのは、衛生面で問題なのはもちろん、能率的にも経済的にもあまりにもったいないこと、と島本美由紀さん。
「冷蔵庫の各エリアは、機能に応じた温度設定がされています。それを知らずにむやみに冷蔵室に押し込んでいては、食品を上手に保存することはできないし、無駄も多く出ます。保存方法を工夫しエリアごとの機能をうまく使いこなせば、家事の時短にも、電気代や食費の節約にもつながりますよ」
基本原則は、上記の表にある、《見える》《まとめる》《取り出しやすくする》の3カ条。これに加え、冷蔵室は7割以下、冷凍室は7割以上の収納を心がけるのが効率よい冷却のポイント。
「どこに何があるかわからない状態だと、必要なものを探すのに時間がかかりますよね? でも、冷蔵庫を20秒開けていれば、庫内の温度は5℃から15℃にまで上昇するんです。これを繰り返していると、食品が傷みやすくなるし電気代も余分にかかってしまいます」
冷蔵庫の各エリアの特性を知り、基本ルールを守ってすっきり収納。
島本さんの冷蔵庫はすっきりしているだけではなく、使いやすさを追求した優れたアイデアが満載。庫内がぐちゃぐちゃになるのを避けるには物の定位置を崩さない、という原則を守るため、〝保存容器は空になってもきれいに洗って冷蔵庫の所定位置に戻す〟などの目からウロコなアイデアも。夏は食中毒が心配な季節でもある。冷蔵庫に入れれば大丈夫と過信していると、間違った収納や食品の放置から菌の思わぬ増殖にもつながる可能性も。以下に紹介するエリアごとの収納のヒントをぜひ参考に、すっきりと清潔な冷蔵庫を手に入れたい。