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【全部知ってる?】毎日食べ続けることが大切、
整腸・美肌に効く雑穀10種。

穀とは、日本人の主食になっている米、小麦以外の穀物の総称。日本で昔から食されてきたもののほかに、最近では、南米が原産地のものなどさまざまな種類があります。

「雑穀は白米に混ぜて炊くのが一番てっとり早いし、食べやすいと思います。しかもカロリーはほとんど変わらないのに、ビタミン、ミネラル、食物繊維の数値が全部上がるんです」
と管理栄養士の柴田真希さん。

27年間悩んだ便秘症が、雑穀入りごはんを毎朝食べる食生活に切り替えたことで解消。その体験から雑穀を世に広める使命感に燃え、雑穀の栄養や期待できる健康効果を勉強。国産の雑穀をオリジナルブレンドで配合したブランド「美穀小町」を立ち上げて販売し、『私は「炭水化物」を食べてキレイにやせました。』という著書も。

「雑穀を混ぜたごはんはよく噛むことで顎の筋肉を使うため、顔のたるみ予防になります。また胃も腸も動いて消化力がアップして、便秘も改善されます。毎日食べ続けることが大事。雑穀は食べるエステになるんです」
 
柴田さんには、雑穀10種の栄養や特長などを聞きました。一方、雑穀の選び方、保存法についてアドバイスしてくれたのは、東京・築地で豆・雑穀の販売店『三栄商会』を営む石川秀樹さん。

「雑穀はそれぞれ栄養素や期待できる効能が違うので、冷え性の改善、貧血の予防とか、自分の状態に応じて選ぶといいですね。少しずつ雑穀のことを知っていけば選ぶのも楽しいですよ」

石川さんの店では12種類の雑穀を取り扱っていますが、キヌア以外は全部国産。なかでも〝雑穀の里〟と言われるほど生産が盛んな岩手県産の雑穀にほれこみ、専ら取り引きしています。

「国産の雑穀はとにかく味が濃くておいしいですね。それに基本的に無農薬だから、安心安全です」

気をつけたいのは保存法。密閉容器やジッパー付き保存袋などに入れて冷蔵庫(18度以下)で保存するのが鉄則です。それさえ守れば長期保存も可能。

「十穀米などブレンドされたものは手軽ですが、自分に合うものが見つかるまで少量ずつ試すのがおすすめです」

 

【はと麦】

美肌効果はひときわ

美肌効果はひときわ


イボ、吹き出物など、肌トラブルに有効とされるはと麦特有の成分に注目が集まる。「中国ではヨクイニンと呼ばれ、漢方食材として使われています」(柴田さん。以下同)。たんぱく質、ビタミンB群が豊富で、特に脂質代謝を促進するビタミンB₂は白米の2.5倍。美肌効果は雑穀の中でも指折りの存在。

【あわ】

鉄分が多く、貧血を予防

鉄分が多く、貧血を予防


ビタミンB群が豊富。とくに肌荒れ、日焼けに効果的というパントテン酸の含有量は特筆もの。「ダイエットで不足しがちな鉄分などミネラルが多いのも女性には魅力です」。クセがなく、ほんのり甘くまろやかな風味で、加熱するとトロトロに溶けるためチーズの代用品としても重宝する。


 

【キヌア】

アンデスの「母なる穀物」

アンデスの「母なる穀物」


南米アンデス山地で栽培されてきた穀物。「たんぱく質と脂質が豊富。マグネシウム、鉄分のほかに、雑穀では珍しくカルシウムも多いので、女性におすすめです」。NASAがすべての栄養素をバランスよく含み、食糧問題を解決する「21世紀のスーパーグレイン(驚異の穀物)」として発表、世界中が注目した。

【アマランサス】

ずば抜けて高い栄養素!

ずば抜けて高い栄養素!


これも南米アンデス原産で、白米に比べてカルシウムは32倍、食物繊維は15倍、鉄分が12倍など、栄養価は他の雑穀と比べてもずば抜けて高い。「日常生活で不足しがちな栄養素を無理なく補給できます。味にクセがなく、子どもでも抵抗なく食べられます」。水にふやけないので、プチプチの食感も楽しめる。


 

【高きび】

ポリフェノールたっぷり

ポリフェノールたっぷり


色素には赤ワインと同じポリフェノールを多く含み、抗酸化作用に優れる。食物繊維、マグネシウム、鉄も多く、便秘や貧血を防いで美肌作りの頼もしい味方になる。炊き上げると見た目も味わいもひき肉のよう。ミートミレット(肉の穀物)と呼ばれ、ひき肉の代わりとしてハンバーグなどに使われる。

【ひえ】

亜鉛は白米の2倍

亜鉛は白米の2倍


若々しくハリのある肌をキープするために効果がある亜鉛は、白米の約2倍も多く含む。ミルキーな白色とホクホク感のある舌触りが特徴で、「白身魚のようなほろっとしたやさしい味がします」。ホワイトソースなどの料理に使うのがおすすめ。体を温める効果も期待でき、冷え性の女性には必須の雑穀だ。


 

【そばの実】

ルチンは特有の成分

ルチンは特有の成分


たんぱく質は白米の1.6倍も含有。アミノ酸のバランスがよく、効率よく摂取できる。毛細血管の強化や、血液さらさら効果も有望。「そば特有の成分でポリフェノールの一種、ルチン(ビタミンP)を含んでいるので、抗酸化作用も期待できます」。ルチンは水溶性なので、茹で汁も無駄なく使いたい。

【黒豆】

活性酸素を消す黒色効果

活性酸素を消す黒色効果


種皮の黒(紫)色はポリフェノールのアントシアニン。ブルーベリーと同じ色素で、目にもよい成分として知られる。ビタミンB群やビタミンE、リン、カルシウムなどのミネラルを含み、白米や赤米よりも高い抗酸化作用を持つ。古くから薬膳料理に使用され、「薬米」の別名もある。


 

【きび】

マグネシウムが豊富

マグネシウムが豊富


「新しい肌やエネルギーを作り出す補酵素になるマグネシウム、脂質の代謝を促すビタミンB₂を多く含んでいます。色もふわっとした食感も卵に似ているので、卵料理の代わりやスイーツに使うと楽しいです」。良質なたんぱく質が多いが、脂質が少なく低カロリーなのでダイエットの心強い味方に。

【大麦】

食物繊維は白米の約20倍

食物繊維は白米の約20倍


特筆すべきは白米の約20倍の食物繊維。不溶性と水溶性のバランスもよく、不溶性の食物繊維は便秘解消に、水溶性は食後血糖値の急激な上昇を抑える働きが。むくみを防ぐカリウムや、不足しがちなカルシウムも豊富。長寿の徳川家康や昭和天皇が麦飯を主食としたことで知られ、優れた健康効果がある。


 
 

◎柴田真希さん 管理栄養士、雑穀料理家/雑穀の素晴らしさに目覚め、オリジナルブレンドの雑穀を販売する「美穀小町」を立ち上げる。

◎石川秀樹さん 三栄商会社長/築地場外で豆・雑穀の販売店を経営。東京都中央区築地4-14-18 妙泉寺ビル1F

『クロワッサン』905号より 

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