ぬい活・苔玉・源氏物語・刻字──心に暮らしにハリが生まれる。私、今こんなことに夢中です! Vol.2
撮影・森山祐子(中村さん) 構成&文・薄葉亜希子
ぬい活歴20年 中村未幸さん
いまでは家族。ぬい連れお出かけはときめきがグンと増します
昨年の流行語大賞にノミネートされた「ぬい活」。ぬいぐるみ活動の略で、ぬいぐるみの写真撮影や服のカスタムなど楽しみ方はさまざまだ。はやる以前から、中村未幸さんにとってぬいぐるみと過ごすのはごく自然なこと。
「私の場合はぬいぐるみ好きというよりもポップルズ好きなんです。アメリカのキャラクターで人に幸せを運ぶ動物とされ、愛らしい見た目や背中にある袋の中に隠れちゃうというユニークさも好き。蝶ネクタイや靴下をリメイクして着せたり、旅行や出張、実家の帰省にも連れていったり。自撮りする代わりにポップルズを写すと、なんともほっこりした思い出になります」
最近は縄文土器や埴輪に魅せられて土器作りに熱中、生活の器を題材にした色鉛筆画の制作のほか、月に3〜4回は落語や浪曲を聴きにいくという多趣味な中村さん。ぬくもりを感じるモノやコトに心がときめくそう。
「自分の好きなところにぬいたちを連れて。ワクワクが増えますね!」
苔玉歴10年 原 由美さん
日々、癒やしと愛しさがあふれている苔玉のある暮らし
朝、犬の散歩と朝食をすませ、水を張ったバケツにひとつずつ丁寧にひたす。原由美さんにとって苔玉の水やりは一日の始まりの大切なルーティン。
「まさかこんなに夢中になるとは自分でも驚きです。葉や茎が毎日少しずつ成長し、つぼみが膨らんで花がパッと咲く。その姿はなんとも愛らしく、育てる喜びを感じています」
鉢植えとは異なり、器を自由に組み合わせられるのも苔玉の魅力。たとえば、夏はガラスの器で涼しげに、冬は土の温かみを感じる器にのせるなど表情が変わるのを楽しんでいる。
「器を探しに骨董市に出かけるようになり、京都へひとり旅も。一風変わった五徳にのせてオブジェのように飾っている苔玉もあります。今年は少し大ぶりなものに挑戦してみたいですね」
『源氏物語』研究歴20年 松下晃子さん
時を超えて愛される物語を深く知り、味わえるのは喜びです
昔から古典が好きな松下晃子さんにとって、『源氏物語』は一生をかけて味わいたい物語。研究会への参加で若い頃とは違う見方が深まっているそう。
「学生の頃は平安時代の優美さに憧れつつも、光源氏のすばらしさはなかなか理解し難いものでした。60歳を過ぎてようやく当時の人々の価値観や感情、時代背景を理解し、恋慕や嫉妬心など変わらない心情、感情の機微を感じるようになり、六条御息所や源典侍の気持ちもいまならよくわかります」
まだ先は長いが、54帖の読み切りが目標。物語にまつわる地を巡りたいとも。
「能の『葵上』、歌舞伎の『六条御息所の巻』、上村松園の『焔』の鑑賞、『源氏物語絵巻』を所有する徳川美術館も訪ねたい。『源氏物語』を通じていくつになっても学びがあるのをうれしく思います」
刻字歴6年 林 雅子さん
満足のいく出来にはほど遠い。だからこそ、やりがいを感じます!
年々新しい挑戦が億劫になり、興味が湧くものとの出合いも減ってくる。ゆえに、おもしろいと思ったらやってみるのが信条という林雅子さん。刻字とは書を木の板に刻る“書のアート”。
「書道より表現に自由度があると感じ、また手芸や洋菓子作りなど、もともと工作好きな私の嗜好に合っていたようです。現在教わっている先生の力強い作品を見て心惹かれ、こんな作品を作ってみたいと始めました」
続けるほどに刻字の奥深さを感じ、おもしろさが増すと話す林さん。
「作品ができるたびに先生から『これがいまのあなたを表していますよ』と言ってもらうのですが、作品を通していまの自分を受け入れる過程というのが心地よく、また少しずつ成長していく自分にも喜びを感じています」
『クロワッサン』1158号より
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