音楽シーンに一大革命をもたらした「ネオソウル」の旗手──『Brown Sugar』(ディアンジェロ)
高橋芳朗の暮らしのプレイリスト。10月14日、アメリカのR&Bシンガー、ディアンジェロが膵臓癌のため51歳で亡くなりました。音楽シーンに一大革命をもたらした彼が、星野源さん、藤井風さんなど日本のミュージシャンに与えた影響とは。
文・高橋芳朗
カリスマ的な人気を誇るアメリカのR&Bシンガー、ディアンジェロが膵臓癌のため亡くなりました。51歳でした。
バージニア州リッチモンド出身のディアンジェロは、1995年にアルバム『Brown Sugar』でデビュー。往年のソウルミュージックやファンクをヒップホップ世代の感覚を通して表現したムーブメント「ネオソウル」の旗手として音楽シーンに一大革命をもたらしました。
そんなディアンジェロの凄まじい影響力は、ここ日本のミュージシャンにも及んでいます。たとえば、星野源さん。彼が2011年リリースのアルバム『エピソード』を「自分なりのディアンジェロを目指した作品」と位置付けていたことは、ファンにはよく知られた話でしょう。
藤井風さんもまた、ディアンジェロからの影響を認めているひとりです。彼は今回の訃報を受けて自身のInstagramのストーリーズを更新。最新アルバム『Prema』収録の「It Ain’t Over」に「a love letter to sir D’Angelo」とのメッセージを添えて、この曲がディアンジェロにインスパイアされていることを示唆しています。
寡作で完璧主義だったディアンジェロが30年のキャリアで発表したオリジナルアルバムは、たったの3作。にもかかわらず、いまもなお後進に刺激を与え続ける圧倒的なインパクトを残した彼は真の天才アーティストでした。
『クロワッサン』1155号より
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