手足のツボで簡単セルフケア。内臓や婦人科系の不調を改善
イラストレーション・洞 智子 構成&文・板倉みきこ
東洋医学では、臓器や筋肉、皮膚などは、気(エネルギー)と血(血液)が充分に巡ることで健全に機能すると考える。一方、不調や痛みなどの不具合は、気血が停滞したり、過不足が起きた結果もたらされるとする。
「気血の通り道が、全身を流れる「経絡」と呼ばれる数十本のラインで、ツボは経絡上にあります。全身に361個あるツボは、相互に関連しているので、たとえば腰痛を改善したい場合、手や足のツボを刺激すれば事足りたり、直接腰を刺激するより効果があるのが、東洋医学の魅力です。ツボを刺激し、気血の巡りをスムーズにするにはこまめに行うのが大切なので、自分でアプローチしやすい手足はおすすめ。代表的な不調を改善するツボを紹介しますので、セルフケアを習慣化してください」(鍼灸・あんまマッサージ指圧師・柳本真弓さん)
入浴後に習慣づけたい、足からの巡りの改善
あらゆる不調の原因ともなる、全身の気血の滞り。特に夏は体の熱が上がりやすく、頭ばかり熱くて眠りにつきにくくなり、不調のスパイラルにはまる。「この状態を、東洋医学では“上半身と下半身の寒熱のバランスの乱れ”と捉えます。夏は冷房で下半身の冷えが助長され、さらに乱れやすくなるでしょう」。そこで行いたいのが、入浴後温まった足を刺激して、気血の巡りを促すこと。「下半身の巡りをよくしてから不調改善のツボを刺激すると、より効果を期待できます。一連の動きを寝る前のルーティンにすれば、睡眠の質も上がるでしょう」
ツボ押し前の巡りをよくする下準備
足首まわりをしっかり温める
浴室から出る前に、足首まわりから足先にかけシャワーでお湯をかけ、足がホカホカと気持ちよくなるまで温める。火照りが気になる人ほど、足を温めると頭の熱が下がりさっぱりする効果を実感。
手を大きく広げグーパー
日中、手のひらは丸まり、胸は閉じている時間が長いので、その反対の動きをして血流を促す。できるだけ指を反るように大きく両手を広げると、胸も自然と開く。手を開いて閉じてを数回繰り返す。
足指を1本ずつほぐす
足指には手指同様に関節があり、足指が硬いと、足首、膝、股関節と下半身全体が硬くなり、血流が滞ってしまうほど重要な箇所。関節部分をほぐすように、指を回したり引っ張ったりを繰り返す。
足先を固定し、足首をほぐす
足幅を少し開いて立ち、片方の膝を曲げ、かかとを上げる。つま先は床につけたまま、膝を左右に揺らしたり円を描くようにして、足首をほぐす。30秒程度行い、もう一方の足も同様に行う。
足の甲を意識してゆっくり曲げ伸ばし
椅子の縁をつかんで座り、片方の足の指先を天井に引き上げるように足首を曲げる。次にかかとを上げて足先を床につけ、足首から足の甲まで伸ばす。ゆっくり曲げ伸ばしを5回繰り返し、反対の足も同様に。
『クロワッサン』1149号より
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