藤沢生まれの生ハム──松田美智子の「くらしの歳時記」
古くから伝わる習慣やしつらい、暮らしの知恵。松田美智子さんが取り入れている“歳時記”を紹介します。今回は「生ハム」。
撮影・鍋島徳恭
藤沢生まれの生ハム
藤沢の風土が作り上げた無添加の極上生ハムです
コロナ以降しばらく、イタリアからハムやチーズが日本に入って来ない時期がありました。日本で作っている生ハムってないのかしらと思っていたところ、友人からの「藤沢で美味しい生ハムを見つけたのよ」の一言で、湘南藤沢へGO! 市場の一角にあるお店で、切り立てを試食させていただいて、感激しました。「生ハム好きに教えなくちゃ」と勝手に宣伝したくなっています。とにかく、切り立ての美味しさを知ってしまうと、もう虜。藤沢の豚肉を、藤沢の海風で熟成させるそうです。伺った冬が仕込みの時期で、夏に美味しくなると聞きました。某有名イタリアンのシェフもこの生ハムの存在を知り、藤沢まで買いに来ているとか。作り手の方は藤沢愛の強い方で、藤沢の食材で魚醤も仕込んでいます。生ハムはイタリア製の専用の機械を手回しで切ってくれます。紙のように薄く! 切り立てを2〜3枚すくって食べるのが、一番美味しい。ぜひ市場の中のお店を訪ねてみてください。
わさびとの相性が気に入っています
生ハムで2種類のオープンサンドを作る。バゲットを好みの厚さに切り、軽くトーストして、室温に置いたクリームチーズをよくかき混ぜてからたっぷり塗る。全てのバゲットに生ハムを2〜3枚ずつのせる。半分のバゲットには生わさびの千切り(皮をこそげて輪切りにしてから千切りにし、塩ひとつまみを合わせて熱湯をゆっくり回しかけ、水気を押さえておく)、残り半分のバゲットには、すりおろしたホースラディッシュをのせる。バゲットが温かいうちに食べる。オリーブオイルを上から回しかけても。
『クロワッサン』1149号より
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