しらいのりこさんが教えるレンチン活用テクニック!──電子レンジのポテンシャルを生かして、おいしさと手軽さを両立
撮影・伊藤徹也 スタイリング・久保百合子 文・熊坂麻美
火を使わず涼しく調理。洗いものも減る!
電子レンジで湯煎してつくる蒸し鶏(下記)が「超おいしくできた」ことから、レンジ調理の可能性に気づいたという、料理研究家のしらいのりこさん。
「レンジ=温めるというイメージですが、じつは煮物、炒め物、揚げ物なども、全く同じようにはいきませんが、充分おいしくつくれます。それもハイスペックな機種じゃなくて大丈夫。火を使わないから暑くならず、洗いものも減ってメリットばかり」
調理は基本的に、材料を混ぜてレンジで加熱するだけと手軽だが、食材や調味料の量、加熱時間など、きっちりレシピどおりにすることが重要。
「加熱時間は食材の重量で決まるため、できるだけスケールで量ってください。ひき肉や鶏もも肉、魚の切り身は、レンチンでも硬くなりにくいので、おすすめです」
使う道具
おすすめはガラス製の耐熱ボウルと、高温にも耐えるポリカーボネート製の割れない耐熱ボウル。食材を並べるときはお皿のほうがベター。耐熱皿は手持ちのものでOK。
「おこわ」が短時間でもっちり炊ける
「もち米は、白米よりレンジ調理と相性がいい」と、しらいさん。30分浸水させたもち米2合、豚バラ肉、ザーサイ、干しエビなどの具材、調味料、水を耐熱ボウルに入れ、トータルで14分加熱し、10分蒸らせば中華おこわのできあがり。せいろなどの蒸し器を使うよりずっと簡単。
「レンチン湯煎」でお肉がしっとり
ポリ袋に鶏むね肉と調味料を入れ、水を張った耐熱ボウルに沈めて、湯煎で加熱する「レンチン蒸し鶏」は、驚くほどやわらかく、しっとりした食感! 「我が家の定番です。ポリ袋の空気を抜いて真空状態にすること、耐熱温度が120℃以上のポリ袋を使うのがポイントです」
野菜はレンジ蒸しで栄養を逃さない!
野菜は茹でるよりレンジ蒸しのほうが、スピーディーで栄養の損失も少ない。「野菜の下ごしらえにぜひ活用してほしいですね。もやし、かぼちゃ、青菜などはポリ袋に入れて、とうもろこしはラップに包んで。野菜の重量100gにつき加熱時間は2分が目安です」
レンチン調理で「油の量」を減らせる
片栗粉をまぶした食材に油を少しかけて、ラップをせずに水分を飛ばしながら加熱して揚げもの風にしたり、少量の油で炒めもの風のおかずができるのもレンチンのメリット。油が少なくても満足感は充分。脂質を減らしてヘルシーな料理をつくりたい人にも最適。
「専用道具」を使えばゴミも出ない
電子レンジ専用の道具を使えば、より効率的に調理でき、ラップや袋のゴミが出ない。左は100円ショップのパスタを茹でられる容器、右は短時間でムラなく火が通せる〈グルラボ〉。「魚や肉に焼き目がつく〈手作りレンジ食堂〉も画期的。使いやすいものを活用してみては」
『クロワッサン』1147号より
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